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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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24話 無職は可能性を掴む

ぎ、ギリギリ間に合った……。

 


 「よっこいせっと」


 俺は鍬を肩に担ぎ、空いた手で額にかいた汗をぬぐいながら今日耕した分の畑を眺める。


 「うん! 昨日よりは確実に進んだ」


 辺り一面綺麗に整えられた畑が出来ていて思わず興奮してしまう。

 こんなの地球にいた時じゃ考えられなかった……。


 「いいな、スローライフ!」


 そんなことまで考えてしまう。


 「ただ問題はあれだよな、やっぱ種がないことだよなぁ……」



 ここに落ちてから結構経っている。 寝て起きたら印を付けているが、その印が既に400を超えた。


 「1年はもうここにいるよなぁ」


 畑を耕したり、ダガーで樹を斬ってたりしてたらあっという間に時間が経った。

 だが未だにベースとなる家ができる予感はしない。

 そして腹もいまだに空かない。


「本当にどうなってるんだ、この空間は。 こんなことができるのは多分……魔法なんだろうが」


 そしてこの魔法について考えることが一番はかどっていない。 というかあの落ちた日から何も進んでいない。

 

 「魔法に関してはきっかけも何も掴めないんだよなぁ、魔導とは根本的に何かが違うようだし」


 あれから何度もファイアーボールの詠唱をやってみたが何も発動しなかった。 城で魔導を試してみた時のような虚脱感もない。

 

 「ということは、俺のMPが使われていないってことになるよな。 そしてあの時にはたぶんMPは消費されていた。 あの時との違いは魔法使いと逃亡者があることか……。

 ってそういえば俺の今のステータスどうなってるんだ?」

 「ステータス」


NAME: 月城玲夜

LV: 1

SEX: M

JOB:無職ー魔法使い 逃亡者 掘削士



HP: 200

MP: 100010(+100000)

物攻: 510(+500) 

魔攻: 100010(+100000)

物防: 10

魔防: 100010(+100000)

耐性: 10

敏捷: 210(+200)

運勢: 10


スキル

多言語理解


 

 また職業が一つ増えたな。

 で、なんで掘削士なんだよ!? そこは農夫とかだろ! 農業してんだからさぁ!

 多分これ物攻が増えてるんだよなぁ。

 最近樹を斬るペース上がったなと思ってたんだよ、うん。


 『大地を掘り削り、樹を削り斬る、削り削り削り続ける、そなたに出来るのは削る事だけ、無造作に、無遠慮に、無慈悲にすべてを削りきれ。 物攻を成長促進』


 ……

 …………

 ………………。


 俺としては斬って、掘ってたつもりなんだけどなぁ……。

 なんだよ、俺にできるのは削る事だけって!

 逃げることだってできるわあほ!


 ……いや逃げることと削る事が俺の出来ることって悲しすぎるだろ、冷静に考えて……

 はぁ。


 でもこれで分かった。

 この無職の次にある職業というのは、俺の行動によって追加されていくっぽい。

 これは今までのすべての職業に当てはまっている。

 逃亡者も、掘削士も、その……言いたくはないが魔法使いも一応……。

 

 「……無職もそれなら俺の行動の結果……になるはずなんだが……俺地球ではブラックだったが一応会社には務めていたんだよなぁ」


 そこだけ一致していない。

 というか無職に関してはそもそも分からないことが多すぎる。てか分からないことしかない。

 他の職業はこの分野が成長促進とかあるのに無職だけないし、それに説明も出てこない。

 しかも無職の職業自体、俺を追放した国にも知っている奴はいなかった

 唯一ゼニスだけが何か思わせぶりな顔をしてたが、そのあいつに聞くにもここをどうにかして突破しなきゃならない。


 「はぁ、八方塞がりってわけか……っていや違うな!」


 俺の物攻はここに落ちた時より500も上がってるんだった!

 もしかして、今の俺ならここに落ちた時には何もできなかったあの膜みたいなのも何とかなるんじゃないか?

 

 「ものは試しだ、一回やってみっか」

 

 とりあえず全力で膜に向かって気合を入れて殴る。


 「おらぁぁぁぁ、……うわぁぁぁっ」



 またも膜に吹っ飛ばされた。

 前と感触がはっきり言って変わってない。

 よく考えれば確か俺のステータスは一般人の1/10だった。

 つまり今の俺はあの時より50倍強いわけだから、一般人5人分。


 「そりゃ破れねーわ」


 あのゼニスとかいう女の力は底知れなかった。

 あいつが俺と同じ職業の魔法使いみたいなのを持っているなら最低でもあいつの魔防は100000以上と考えられる。 

 下手したら『私の戦闘力は53万です』とか言いかねない。

 いや、それはないか……。


 とりあえずそんな女が落として自分で創ったといったこの空間が、500程度の物攻で突破できるわけがない。


 「……そういえばゼニスは言ってたな、『いろいろと新しいことに挑戦してみなさい、それがあなたのためになる』って。 それってさっき俺が考えてたことと一緒じゃん、てことは俺がやることは一つだな」


 


 様々な職業を得られるように努力していくこと。

 それだけ分かったのも着実な進歩だ。

 

 そうと決まれば俺がすべきことは……

 

 「まずは家を創る事だな」


 やること自体は変わらなかった。


 


 

 








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