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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
1章 追放〜翻弄され続けた男は自由を渇望する〜
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12話 無職はリンチされる

本日2話目です。


 「……う……ん?」

 

 起きてすぐ自分の手足に違和感を感じる。 

 何か紐のようなもので手足が締め付けられているような感じだ。

 てかどうやら縛られているらしい。

 だれに?

 なぜ?

  

 叫び声をあげようとするがそれも出来ない。 口に猿轡でもされているようで「んぅぅう。 んぅぅ」という情けない声しか出てこない。 俺に声を出されたくないらしい。 目隠しはされていないため、周囲の状況を確認も……できない。

 夜なのか知らないが外が暗くて単純に見えないのだ。


 もう真っ暗、ついでに言えばお先も真っ暗、うん。


 最後の記憶は……っと。

 あ、思い出してきた。 変な青鎧の男たちがノックしてきて、ドアを開けたらいきなり中に入られて蹴られて失神したんだ。


 なんなんだよあいつらは。

 あれからの記憶がないから、たぶん俺はあいつらに連れ去られたか、監禁されているんだろう。 どちらかといえば前者の方が可能性は高そうだが……。

 ずっと身体の位置が安定しないし、ガタゴトと何かに乗っているような音もする、それも頻繁に。

 てことは移動中か、今は。


 てかこの乗り物なんか壊れそうだぞ、大丈夫か?


 とりあえず俺はどこかに運ばれているらしい。 どこに運ばれているかは全く検討もつかないが。 そもそも地理が分からないので地名とかわかってもどうしようという問題もあるのだが……

 異世界の知識がわからないのがこんなところで出てこなくても……。

 本当に恨めしい。


 しかし落ち込んでいる暇はない。 俺はもっと重要で切実な問題に直面しているからだ。


 き、気持ち悪くて吐きそう……。


 そう、頻繁に身体が揺すられるせいだ、所謂乗り物酔いというやつ。

 地球にいた時も特段乗り物に強いというわけではなかった。 車に乗っていても助手席か運転席なら酔うことはないが、後部座席に30分も座っていると気持ち悪くなってくるのだ。 山とかならもう言わずもがなで酔う。

 そんな俺が身体を揺すられ続ければ今の状態になるのはもはや必然と言ってもいいだろう。


 やば……マジで吐きそう。 目もグルングルンしてきた。 

 いや、我慢だ、我慢しかない。 

 こんなところで吐いてみろ。 俺を攫った奴らに嫌な思いをさせられることは間違いないだろうが、その前に自分のブツが俺自身にダメージを与えることは想像に難くない。

 それはもはや自爆テロに等しい。


 攫われた上にしかもゲロまみれとか自分で言うのもなんだが悲惨すぎる……。



 必死で吐くのを我慢していると次第に目が暗闇へと慣れてくる……くるのだが、ぶっちゃけ周りを見ている余裕はあまりない。

 ていうか全くない、マジで。

 

 かろうじて床が木材の板でできており、所々に隙間が空いていてその周りにものが雑多に置かれていることまでは分かる。

 それが何かとかまではわからないが……。


 かれこれ30分ぐらい(体感)必死に別のとことを考えるようにしていたがどうやら俺にもとうとう限界が来てしまったらしい。


 あ、まずい。


 そう思った瞬間には意識がまた遠のき始めていた。


 ああ、よかった。 吐く前に意識を失って、これなら吐いて吐瀉物まみれになることはない。


 俺は初めて安堵しながら失神した。






 「ガハッ」


 背中から身体を地面に打ち付けられて目を覚ます。

 目線の先には伸び放題になった雑草が生い茂っている。

 目線を上に上げてみれば、青鎧の男達が嫌味ったらしい笑みを浮かべている。


 「~&??♪?♪☆……!~←←~&☆?」


 奴らは俺を指さしてゲラゲラと笑い出す。 

 多分寝ぼけた面してやがるぜとかそんな感じだろう。


 「←++]¥¥-「←"-¥「’¥「-¥]”’($"$$”=]¥"¥$?:{:(’"+」


 そいつらの中に1人だけ見覚えのある奴がいた。 

 俺を部屋で失神させ、薄気味悪い笑みを浮かべていたやつだ。

 

 そいつは俺を指さして何かを他の青鎧に向けて指示している。 

 この中では隊長とかなのかもしれない。 鎧も他のやつらとは違い上等なものっぽいし。


 てかなんか嫌な予感がする……。


 俺がそう感じたのと指示をされていた青鎧の騎士たちが動き出したのは同時だった。 青鎧のやつらは倒れ込んでいる俺を囲むように動き始め、何故か腰に付けていた長剣などを無造作に放り投げる。

 そして威嚇するように、俺を怯えさせるように拳の関節をポキポキと鳴らし始める。


 あ、これはあれだ、集団リンチというやつだ。 しかも防御するために丸まることも出来ない完全なパターンのやつ。

 だって、後ろ手に縛られてるからね、これ俺、本気で人間サンドバッグにされるんじゃないか?


 冷や汗が止まらない。 手足を縛られているためもがくことしかできない。


 青鎧の男の1人と目が合った。

 するとそいつも醜悪な笑みを浮かべ、そして次の瞬間には思いっきり腹を蹴りつけてくる。


 「ぐっ」


 めちゃくちゃ痛い。 がそれは腹に力を入れることで耐え凌ぐ。


 その蹴りを皮切りに本格的にリンチが開始された。

 あらゆる所を蹴られ殴られた、顔を覗いて。 

 それを耐え凌ぎ続け、最後に指示を出していた男の蹴りを腹に受ける。 

 それがモロに鳩尾へと入ってしまう。


 「くっ…………かはっ……ゲホゲホっ……はぁはぁ」


 思いっきりえずいてしまうが、何も食べてないからかいくらえずいても胃液しか出てこない。

 それもまた気持ち悪い。


 「?:?]$?&!(←♪♡'☆「¥”$’「「¥」


 隊長は何かを満足したのか、また汚物を見るような目で俺を見て、そのまま俺の顔面目掛けて脚を思いっきり振り抜いた。







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明日も更新します、確実に2話は更新します。

もしかしたらもうちょっと更新するかもです。


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