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膝の痛みと整形外科医

 さて。小説を書く皆さん。皆さんは、どんなシチュエーションで話の内容を考える事が多いですか?

 恐らくは、様々なタイプの人がいるのではないかと思われますが、僕の場合は、散歩の最中に考えていることが圧倒的に多いです。多分、6割くらいは散歩の時に考えているのじゃないかと思います。

 それだけが理由って訳ではありませんが、だから僕はよく散歩をします。休日ともなれば、二時間三十分くらいは平気で散歩をしていますし、平日でも仕事の帰りにわざと遠回りをして、三十分くらいは歩いています。

 ま、あんまり酷い雨の日とかは、流石にしませんがね。

 そんな散歩を僕は健康的な趣味だとも思っていたんです。ところが、どうもそれが裏目に出てしまったみたいなんですね。ある日、突然膝が痛みだしてしまったのですよ。

 昼間、「なんだか、少し痛いなー」と思っていたら、それが、夜中、寝ている間にけっこうな痛さに変わりまして、その所為で、目が覚めちゃったほどです。「これは駄目だ」と歩き過ぎを後悔しました。

 実はしばらく犬を預かっていたのですが、その間、休日の普段の散歩に加えて、その犬の散歩もしていたのです。それが流石に無茶だったのじゃないかなぁ?と。多分、一日、合計で4時間くらいは散歩していたと思うので。かなり、ヘトヘトになりましたしねー。

 膝が痛み始めたのは平日で、仕事を休む訳にはいきませんから、土曜になるのを待って病院に行ったのですが、その時、普段は行かない病院を選びました。

 親がいつも行っている病院であまり良くない医者に当たったそうで、避けた方が良いと熱心に勧めるので、それに従ったからなんですがね。

 いえ、アドバイスに従わないと、物凄く機嫌が悪くなるので面倒くさいんですよ。電車で行けるので、正味の歩く距離はそっちの方が短かったってこともありましたが。

 ただし、病院に着いて、選んで良かったとは思いました。その病院、情報技術を積極的に取り入れていて、システムが面白かったんです。

 受診票にバーコードが印刷されてあって、それで外来の受付を済ませられたり、会計を済ませられたりなんかしましてね。カード発行の手数料の意味もあってか、初診料はちょい取られましたが。

 それで、「まぁ、偶には、こういうのもいいかな?」とレントゲン撮影を済ませた後、気楽なノリで僕は問診を待っていたのです。

 が、その時に掲示板に出た担当医師の名前を見て、微かに不安を覚えました。

 その病院に行く前に受付時間を調べる為、その病院のサイトを見てみたのですが、その時に何人かいる整形外科医の職能が紹介されてあるのを見つけたのです。で、その中に「本当に、整形外科医なの?」って感じのプロフィールのお医者さんが一人いたのですが、当にその人が僕の担当だったんです。

 ただ、まぁ、それでも整形外科を担当しているんだから、膝の痛みくらい診れるだろうと僕は高を括っていました。

 それにですね。

 実はその時には既に膝の痛みはかなり和らいでいたんです。普通に歩くくらいならなんともなく、階段の昇り降りでちょっと痛む程度。正直、少し休んでいればもう大丈夫だろうと思っていました。だから、少々頼りないお医者さんでも問題ないと気楽に構えていたんです。

 実際に診てもらうと、案の定と言うかなんと言うか、そのお医者さんはかなり自信がなさそうでした。骨に異常はなさそうだという事で、何が原因か分からない。それで患部を押して、痛み方なんかを確認していましたが、それでもやっぱり分からない。

 結論としては既に快方に向かっている事もあってか「一過性の関節炎」という診断を受けました。

 “一過性”って、一時的に痛くなっただけっぽいので、「そりゃそうだろう」な話なわけで、正直、なんだかなぁ?な気分です。

 一応、痛み止めと湿布薬をもらったので、痛み止めはともかく湿布薬くらいは使ってみようかとは思いましたがね。

 まぁ、それでも特に問題はなさそうだし、面白い経験ができたしで僕は特に気にしていなかったのです。

 が、しかし、それから膝の痛みは悪化してしまったのでした。

 ……もっとも、それは僕の自業自得だったのですが。

 痛みがほとんどなくなったのが嬉しかったもので、つい一時間ほど散歩してしまったのですね。

 いやぁ、油断した。

 日曜の夜に痛み始めて、次の月曜日も仕事しながらずっと膝の痛みに苦しんでいました。それで膝の痛みの症状についてネットで検索をかけてみたのです。

 その結果、僕の症状にばっちり一致するものがありました。

 変形性膝関節症。

 恐らく、これです。歩き始め等の動き始めるタイミングで痛む。膝の内側の関節部分を押すと痛い。O脚だったり、姿勢が悪かったりするとなるらしいです。

 ただ、僕の場合は姿勢の悪さに“歩き過ぎ”が加わって、膝に負担をかけ過ぎた結果、発病したのじゃないかと踏んでいます。

 散歩を控えたら、一日で痛みがなくなったから、そう判断したのですがね。火曜日にはもうほとんど痛みはなくなりました。

 問題はここからです。

 参考にしたサイトによれば、これ“内側の関節部を押すと痛むので、とても分かり易い症状”なんだそうです。でも、あのお医者さんはそんな事は一言も言っていませんでした。患部だってしっかりと調べていたのに。

 そう言えば、「歩き始めに痛いですか?」とも聞かれませんでした。痛風の可能性を疑われたのか「お酒は飲みますか?」とは尋ねられましたがね。

 (因みに僕はほとんどお酒は飲みません)

 あのお医者さんが、もしこのメジャーな病気について知っていたら、ちゃんと重要なポイントを尋ねるとは思いませんか? 仮に変形性膝関節症じゃなくても、その可能性は疑うべきでしょう。

 あっさりと治りそうだから良かったものの、もし仮にもっと深刻な状態だったなら、今頃、僕はピンチに陥っています。

 セカンドオピニオンの重要性が言われて久しいですが、「確かに意味があるな」と僕は今回の件で実感しました。

 そして、インターネットの活用は、ちょっと問題のありそうなお医者さんに当たってしまった場合の予防にもなりそうだとも思ったのです。

 どうやら、お医者さんを信用するばかりじゃなく、自分でもネットを利用して調べてみた方が、より安全性は高まるみたいです。

 お医者さんは嫌がりそうですけどね。特に問題のあるお医者さんは。

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