俺の友達はホームズなのか?
結局みんなで行くことになった。
「「はぁー」」
誰かとため息が重なる。その相手は……滝畑だった。
「その…。すまん、失敗した」
「あーいえいえ元々そんなに期待してないので」
こいつ!
「嘘ですよ~。頑張ってくれてるのは分かってますから。私も頑張ります」
そういっている彼女の顔はまだ諦めていない
「海翔くん、最近滝畑さんと話すこと多くないですか?」
「しょうがないだろ。今日はお前とのデートとともにあいつのフォローをしなくちゃいけないんだ」
「私とのデートの意味ないじゃないですか」
「あいつのフォローをして、二人で後でどこでも行ってやるから我慢してくれ」
「なるほど。なんでもですね。言質とりました」
「ん?俺、なんでもするとは言ってないよな?どこにでもとは言ったけど」
「何か?」
「すいません。なんでもありません。なんでもするので許してください」
にっこり笑顔
俺、優しすぎる気がする。もっと感謝してくれないかな
「海翔。少し来てくれ」
真剣な隼汰。
「どうしたんだ?こんなところに来て」
「大体分かってるよお前がやろうとしてること。それで、お前も分かってるんだろ。俺の行動」
「あぁ。今日のお前は何か不自然だぞ。やたらとついてくるし」
「仕方ないだろ。俺が気づかないわけがないだろ。あいつは海翔に俺と滝畑をくっつけてくれとか頼んだんだろ」
こいつどこまで鋭いんだよ!
「俺、隼汰の友達やめよっかな」
「なっ!それはないだろ!」
「冗談だよ。お前の鋭さがこわくなっただけだ」
「そ、そうか。ならいいんだが」
ここで俺はもしかしたら、実は、という意味を込めて一応この言葉を言ってみる。はい。3、2、1
「そんなことより俺はそんなこと言われてねえぞ。つか、あいつ、隼汰のこと好きだったのか?」
「もう遅いぞ。ばっちりさっきまでの会話がそう言ってる。しかも、お前の嘘をつくときの癖が出ている」
やっぱりダメだったか。……何だって!?
そう思って俺は自分の手に目を向ける。
そこには俺の手がくるくると円を描いていた
「なんでお前、俺の癖のことを知ってるんだ?」
「妹ちゃんから聞いた」
あ、そう……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
俺、隼汰に嘘つけないじゃん。何?この妻の尻に敷かれた夫みたいな敗北感
「海翔に忠告しておく。滝畑は何を考えているのか分からない。気をつけろ」
「隼汰でも分からないのか?」
「あぁ。今回はお前がいたことと、あいつの露骨なアピールがあったから分かった。でも滝畑はあんなに露骨に出さないはずだ」
「そうか。気を付けるよ」
「そろそろ戻ろうぜ」
そんな会話をしたあとはつい、滝畑の行動の意図を探ろうとして、気づけば俺は今回の目的を忘れていた




