後輩の忘れ物
「ねぇ海翔、明日海翔の家に行ってもいい?」
「なんでまた急に」
「別に何となくだけど」
「そうかよ。まぁ家も近いからいつでも来ていいぞ。なんなら泊まりに来てもいい」
「なんなのあんた。女の子を自分の家に泊まらせて何をするつもり!?」
そう言って顔を赤くして体を腕で守る仕草をするこちらの美少女は俺の幼馴染こと佐奈川紗希
「べっ別になんもしねえよ。勘違いすんな」
「ちょっとぐらいしてくれても……」
「何だって?」
「なんでもないわよ」
『~♪』
「すまん電話だ」
『もしもし、お兄ちゃん?優衣だけど』
「あぁどうした?」
『今何してる?』
「今は紗希と一緒にお昼を食べてるよ」
『そう。それよりもお兄ちゃん、家に帰ってきたら大事な話があるの』
「はっはぁ。説教…じゃないよな?」
『自分の胸に聞いてみて!』
ブチッ
「あっ切りやがった。俺何にもしてないよな?」
「知らないわよそんなこと聞かれても」
「そーだよな。ごめんごめん」
「それよりもあんたさ。最近別の女の子と仲良くない?」
別の女の子……
「あ~。えっと滝畑弥夢か?」
「名前は知らないけど。この前仲良さそうに話していた子」
「あら?それは浮気ですか?」
「うわぁ!?瑠美?なんでここに」
「海翔さんと一緒にご飯を食べようと思って探していたら、このようなお話が聞こえて」
この笑顔間違いない。(協力してくれないと写真ばらまきますよ)だよな多分とりあえずここは
「あっあれはだな」
キーンコーンカーンコーン
「あら、終わりましたね。この事はまた後日」
「そうね。その事については私も知りたいしね」
「あはは。はぁー」
午後の授業が終わりを告げ、早々に帰宅をする。
「ただいまー」
「あっお兄ちゃん♪おかえり。そこに正座」
「なんで」
「正座」
こわい。この笑顔
「はい」
「では、問いましょう。この本はなんですか?」
『好きな異性のおとしかた』
はっ?
「えっなにそれ」
「知らばくれないでください。お兄ちゃんの部屋でエッチな本がないか探していたらこんな本が出てきました」
「いや、その前にお前は俺の部屋でなんてことしてんだ」
「エッチな本は見つかりませんでした」
「そっそうか。それよりも俺はそんな本は知らない。冤罪だ!」
「でも実際にお兄ちゃんの部屋で見つかりました」
『ピロン♪』
「えっと、メールがきたので見てもよろしいでしょうか?」
「許可します」
『先輩~すいません。この前買った本が重くて先輩の鞄にいれたんですけどとるの忘れてました。しばらく預かっててください。お願いしまーす』
「……」
あいつかよ!
「それは俺の知り合いの本だ。決して断じて俺のではない」
「そのお知り合いは女の子?」
「あぁまあな。」
「また女の子ですか近頃お兄ちゃんの周りには女の子が集まりすぎだと思う」
「あはは」




