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偽装彼女とヒロインたちと  作者: 鳥浜マクト
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作戦会議

 テストも無事におわり、隼汰も補習を回避。いつもならこれでいいはずだった。

「センパーイ」

 あれで……いいはずだった。

「お、おう」

「ちょっと買い物に行きたいんですけど、ついてきてもらっていいですか?」

 これ絶対何かあるわな

「いや、今日はちょっとあれだから」

「あれってなんですか?」

「いや、だから妹に頼まれ事をされてて」

「じゃあ私の買い物のついでに行けばいいじゃないですか。っていうか先輩に妹なんていたんですね」

 しまった。逃げられない。

「わかった。買い物に付き合うから。あと、一気に話題二つ言うのやめない?どっちに答えたらいいかわからんから」

「わーいうれしいです。じゃあ行きましょう」

 二つ目は無視なのね。あっ、っていうか俺も今さらっと二つ話してたな気を付けよ。


 俺たちがやって来たのは駅前のショッピングモールのカフェ

「で、先輩。用件はだいたい分かってますよね」

「なっなんのことかな?」

「バカですか?」

「せっ先輩に向かってバカとはなんだ!バカとは。お前隼汰や他の人の前での態度と俺への態度違いすぎないか?」

「いいんですよ。先輩は。先輩なんで」

「どーゆーことだよ。理屈がおかしいだろ」

「本題に戻りますよ」

「無視かよ」

「隼汰先輩に勉強教えるのやめてください」

 はぁはぁ。疲れた。会話で疲れた。

「フゥー。よし。えっと勉強を教えるのをやめろ、だったよな」

俺は深呼吸をすると、切り替え本題にはいる

「単刀直入に言おう。それは本人が望まない限り無理だ」

「えぇー。いや、先輩ならできるでしょう」

「俺ならってなんだよ」

「それができないなら私と隼汰先輩の仲が良くなるように頑張ってください」

「なんでそうなるんだよ」

「いや、だってテストの補習以外では全然会わないし話さないんですよ」

「おう」

「だから少しでも話せる機会を、仲良くなれる機会をつくってもらえれば」

「一応聞くがお前は隼汰が好きってことでいいんだな?」

「今までの話を聞いてそれ意外にあるとでも?」

「お前はなんで隼汰の事が好きなんだ?」

「だって、あの控えめなイケメンにお金持ちですよ。隠れ有料物件ですよ隼汰先輩は。だから今のうちに」

「なるほどね。わかった。できるだけ俺も仲が良くなるようにやってみる」

でも実際は無理だと思う。なぜなら隼汰がそんなことを見抜けないような人間じゃないからだ。

「ありがとうごさいます。それではよろしくお願いします」

「じゃあ俺にはどうしろと?」

「はぁーそれを考えるのが先輩の仕事じゃないですか。例えば出掛ける場をつくってくれるとか」

「なるほど、いや俺って女の子と付き合ったことないから」

「?瑠美さんがいるじゃないですか」

「あっい、いやあいつがはじめてだから」

「ふ~んそうですか。とりあえずお願いしますよ。じゃあそろそろ帰ります」

「送っていこうか?」

「大丈夫ですよ」

「そうか。じゃあな」

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