ふとした日常
「お兄ちゃん、ここの問題なんだけどー」
「あぁ。どれだ?これか、、、これはだなここにこう書いてあるから、この人の心情はこうなるんだ」
現在、妹である優衣と共に宿題を進めている。
あの瑠美との夏祭り以降、特に出掛けているわけでもなく、土日は優衣とゲームをしたり、隼汰と少し出掛けたりしていたぐらいで、平日は基本、午前中は夏期講習、午後は優衣と宿題を進めていた。気づけば、夏休みも終わりに近づいてきている。早かったな~。こんな夏休みは久しぶりかも知れない。
久しぶりに紗希と遊ぼうかな。呼んでみよう。
「お兄ちゃん、誰に電話するの?」
「ン?紗希だ」
「ええー!」
「なんだ?よんでほしくないのか?」
「うん!」
即答!
「何で?」
「だって、せっかくのお兄ちゃんと二人きりの日が、、、ダメ?」
俺の弱点・妹の子犬のような瞳
「分かった。じゃあ適当に二人でゲームでもするか」
「やったー!お兄ちゃんありがと!」
「はいはい。じゃあ、何する?」
「えっと、、、これは?」
「じゃあ、それにするか」
俺と優衣はゲームを数時間したあと、少し休憩として、おやつを食べていた。
「このクッキーウマイな」
「そう?なら良かったよ。学校の調理実習で作り方教わったから作ったの」
そう言って、俺の方をチラチラ見てくる。この反応は、、、
「そうか。ありがと」
そう言って、俺は優衣の頭を撫でた
「えへへ~」
「さて、優衣。勉強に戻るか?」
「うん。そうする」
こんなに遊んでても、一応、受験生なんだよな。優衣は。
「そうか、じゃあ頑張れ。俺は本屋に行ってくる。何か買ってきてほしいものは?」
「じゃあ、お兄ちゃんと一緒に寝ることが出来る券をほしいです」
「そんなものは売ってない」
「なら、ちょーだい」
「行ってきまーす」
「ちょっと、お兄ちゃん!」
そんなことが聞こえるが、俺は無視して本屋に向かった。
久しぶりだな。本屋に来るのも。何かあるかな?
そんなことを思いながら、適当に回っていると、顔見知りが一人
「、、、」
「、、、」
あっ、目が合った
「、、、」
あっ目線そらされた
「あの~、紗希さんですよね?」
少し敬語で尋ねてみる
「、、、」
「あの~」
俺は、紗希の見ていた本を見る。えっとー何々?『好きな男子を振り向かせる15の方法』、、、。
「お前、、、好きな奴いるの?」
そう言った瞬間紗希は赤くなる。
「、、、」
無言で立ち去って無かったことにしようとする紗希。
「ちょっと待てよ。付き合ってくれないか?」
「、、、!?」
「だよねー。ちょっとでも海翔に期待した私がバカだった」
「なんだよー。ようやく喋るようになったと思ったら」
俺が連れてきたのは、ゲームセンター。ここで紗希としばらく遊んでいた。そして、今現在は公園のベンチだ
「何よ。悪い?」
「いーや悪くない。その方が紗希らしい」
「そう。ならいいわ。っていうか、何で海翔があんなところに居たのよ?」
「えっ?いや、優衣が勉強しているから。一応、あいつ、受験生だし」
「なるほどねぇ」
「お前こそ何であんなところにっていうか何であんな本を?まさか本当に」
「、、、私帰る。じゃあね」
スルーの仕方無理やり過ぎない?でも、聞かれたくないんだろう。ということは好きな人がいるのだろう。紗希はモテるからな。




