最終プラン夏祭り
ドンッドンドンッ!(太鼓の音)
「スゲー人いっぱいだな」
「本当ですね」
瑠美さんすごく見られてらっしゃる。浴衣似合ってるしな。おっと、カップルらしき二人がケンカしてる。きっと瑠美に見惚れてる彼氏に彼女が怒っているのだろう。
「はぐれないようにしないとな。俺の裾掴んどけ」
「手はダメですか?」
「好きにしろ」
「では、そうします」
「まずは何をする?」
って言っても定番はりんご飴とか、わたあめとか、かな?祭りなんか久しぶりだな
「では、射的はどうですか?」
そうきたか。ここは俺がとらなきゃいけないのかな?
「いいぜ。どれ狙う?って言っても俺、あんまり得意じゃないぞ」
「私がやります」
そう言って屋台の人にお金を渡す。そして、銃を構える。うつ。
「「当たった!」」
当たったが倒れなかった。
あからさまに落ち込んで、、、いや、この顔はマジだな。
それから弾を消費して、一回分を終えたが、取ることは出来なかった。
「おじさん、もう一回します」
「おい、瑠美行こうぜ」
「いいえ、とれるまで行きません。すいませんが屋台で色々買ってきてもらえますか?」
一見、落ち着いた表情だが大分悔しいんだろうな。
「分かった。終わってもあんまりうろうろするなよ」
「、、、」
もう集中してる!最後まで人の話を聞け!
「はぁー。じゃあな」
集中する瑠美をバックに歩き出す。
「何がいいかな?」
やっぱりりんご飴?たこ焼き?イカ焼き?どれも美味しそうだ。最近の屋台は色々あるな。
それにしても、人が多いな。進むペースが遅い。
「きゃっ!」
俺の胸元に俺よりは背が低い女の子がぶつかってくる。
「おっと。大丈夫か?」
「はい、すいません。人が多くて」
「そうだな、気をつけろ」
その女の子はペコリとお辞儀をすると、俺の前を進んでいった。どうやら友達がいたようだ。
「俺は、ここにしよう」
そう言って、まずはりんご飴を買う
「次はここでいいか」
次にお面。
しょーがなくない?だって欲しくなったんだもん
「次はここだな」
そして、たこ焼きと焼きそば
「最後はここでいいか」
最後にイカ焼き。
ふぅー。少々買いすぎた。そろそろ戻るか。
「おーい瑠美ー」
まだやってる。どんだけ下手なんだよ!もうあ諦めろよ!
「、、、とれた!とれました!」
うわっ。すごい嬉しそう。
「あっ海翔君!見てくださいとれました」
「あぁ。一部始終をしっかりと見ていた」
「そうだ。食べるもの、買ってきてくれましたか?」
「あぁ。ほらよ」
「ありがとうございます」
「食べる前に他にしたいことはないか?」
「じゃあ、ヨーヨーすくいをしたいです」
「そうか。、、、それならあっちにあったはずだ」
「そろそろだな。瑠美、俺についてきてくれ」
「はい」
満喫しすぎだろ!
あれから、金魚すくい、スーパーボールすくい、輪投げ、、、遊んでばっかだな!
そんなツッコミを心の中で思いつつ、瑠美を連れてきたのは、少し祭りの屋台から離れた神社の階段だった。
「ここだ。のぼるぞ」
「はい、、、」
「『何故ここに来るのかわからない』って言う表情だな。まぁついてこい」
階段を上り終えると、俺達は誰もいない広い空間で少しくつろいだ。
「はっ!まさか!ダメですよ。海翔君。こんな人気のないに連れてきてハレンチなことをしては」
「んなことしねーよ!俺をなんだと思ってるんだ」
「真面目なのか、普通に青春しているのかわからない人」
「どんな認識だよ!」
「ふふっ」
「はぁー。お前の中で俺という存在ががどんな認識なのか良く分かったよ。あと、俺は普通に夏期講習も行ってるし、毎日しっかり勉強している」
「そんなに気を悪くしないでください。ストレスが溜まりますよ」
「もう溜まってるよ!誰のせ、、、」
誰のせいと言おうとしたとき、
ヒュ~ドンッドンッ
ヒュ~ドンッ!
「「、、、」」
「花火、、、」
「どーだ?」
花火に見惚れている瑠美を見ていると、自然とイライラがなくなり、自分までもが、花火に見惚れていた。
「きれいです」
俺のプランはひとまず成功だ。
この先、もし、瑠美との関係が終わったら俺達はどーなっているのだろうか。ふとそんなことを考えた。




