偽装彼女任せのデート
待ち合わせ中、、、理由はもちろん、瑠美を怒らせたお詫びだ。結局、『私の水着はお泊まり会でたくさん見たでしょう』とプールは脚下された。ということでショッピング。大丈夫だ。なぜなら、昨日徹夜で瑠美の好きそうなところをネットで調べたからな。
「お待たせしました」
そう言って白のワンピースに麦わら帽子を被り、肩からは小さなバッグをかけている可愛らしい、なんとも夏らしい服装をした我が偽装彼女が現れた
「お、おう」
俺はもう一度凝視してしまう。こいつは容姿が良いからな。
「その、なんと言うか、似合ってるよ。とても夏らしい」
そう言って瑠美の顔を見てみる。すると、少し頬を染めていた。
こいつ、直球な褒め言葉には弱いよな。
「ありがとうございます。ですが、意外ですね。海翔君が服のことを褒めてくれるのは」
「そうか?」
「はい。この前の水着も褒めてくれなかったですし。まぁ、彼氏としての自覚が出てきたんでしょう」
「偽物のな」
「そうでしたね。では、行きましょう。考えてきてくれたのでしょう?デートコース」
「何故その事を!」
「ふふっ。ありがとうございます。ではそろそろ行きましょう」
「あぁそうだな」
まずは、、、うん!瑠美の行きたいとこ!
「では、最初はどこに行きますか?」
「、、、瑠美の行きたいとこ!」
「、、、」
沈黙!
「はぁー。期待した私がどーかしてました」
「すいません」
「そーですね、、、」
「でも待ってくれ。ショッピングは3時頃までで良いか?」
「はい。良いですけど。では、服を買いに行きたいと思います」
「りょーかいしました、、、って服ってこの前も買ってなかったか?」
「夏休みが終わったらすぐに秋ですから」
「あぁなるほどな。なら行こーぜ。荷物持ちぐらいなら出来るから」
「ありがとうございます」
ここまで決めるのに約1時間、、、俺、もっと頑張ろ。
現在11:00
「こっちとこっち、海翔君はどちらが良いですか?」
そう言って瑠美は俺に選択権を委ねる
う~ん。よくわからん。でもここで選ばなきゃまた機嫌を損ねるだろうからな。
「こっちかな」
「私と一緒ですね。では、こちらにします」
「あぁ良いと思うが、瑠美は何着ても似合うと思うぞ。可愛いから」
「!、、、」
あれ?
「私、買ってきます」
「おう」
しばらくして戻ってきた。
「海翔君、私達ってカップルっぽく無いと思いませんか?」
「そうか?」
「なので、、、こうです」
そう言って腕を組んでくる。
うわー。恥ずかしい
「これはさすがに、、、」
「なんですか?」
「何でもない。それより、お腹空いてないか?空いてたら混む前に食べておこうと思って」
「そうですね」
数分後
「ここだ」
そう言って、俺が連れてきたのはとてもおしゃれで、俺1人では行かないだろう。そして、瑠美も来ないであろう。だが、好きであろう場所だ。重要なのでもう一度。好きであろう場所だ。
「、、、」
黙り込む瑠美
あれ?ハズレ?
「早く入りましょう!海翔君」
食いついた~!めっちゃ食いついてる!
「私、こういうところには来ないので。それに、私、一度来てみたかったお店なのです」
「気に入ったか。良かったよ」
俺のプランのスタートだ!!!!!!




