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第一話:落下そしてはじまり

基本マイペースな性格なので更新速度は一週間に一回できたらいいほうだというくらいで考えています。では、どうぞ

「目を開けると、そこは空の上でした・・・・・・」


はるか遠くまで見渡せるほどの上空でオレのご主人はゆっくりとそう言った。



「なぁ、わかってると思うがこの高さから落ちたら死ぬぞ?」


「ん・・・ええっ!!マジで!ってか超たけええええええ〜!!!」


やっと自分の置かれている状況がわかったらしい。気がついてなかったのか?


オレのご主人ながらまぬけだ。パニくっているがようやくなんとかしようとしている。



「った!たたっ大気に眠りし風の乙女よ、我が声に従いその力を示せ!

《ユクシト・ハガル!!》」



手を体の下へと突き出し、風の初級魔法の風圧で落下速度をおとそうとするご主人。


「ふぅ〜、これで何とか、あだっ!!」


ならなかったようだな。見事にしりから着地して転げまわってる。


「おいバロンっ!お前僕と契約しているんだから助けてよっ!」


肩まで伸びた銀髪からのぞく碧眼に涙を浮かべながらこちらを睨む、まだ顔に幼さの残る少年。



オレのご主人(マスター)こと、“シャルル・ローレンス”。少し女顔だが性別上


男に分類されるガキ、ちなみに16歳だ。



「バロン〜、さっきから誰と話してんの?」


オレか?オレはさっきからコイツが呼んでる通り“バロン”という。


ほんとはもっと長い名前なんだが、今はそんなことどうでもいいだろう。


職業は闇の精霊王なんていうのをやっている。自分でいっててなんだが、職業か?



「無視か、そうか無視なのか」


容姿はそうだな。高位精霊は人の姿をとることができるんだが、腰まで伸びた黒髪


と黒眼が特徴だな。基本服も黒一色だ。


歳は5060歳だ。なんだじじいじゃねえか、とかいうな。精霊はこれが普通なんだ。


さっきご主人がいっていた通りオレはコイツと契約している。


「いいよいいよ、どうせ僕なんか契約していても助けてもらえないんだ。

・・・・・・」



おっと、ご主人が体操座りをしながら地面にのの字を書き始めた。そろそろ相手

してやるか。


「オレが悪かったって、あやまるから、なっ?」


「本当にそ思ってる?」


「全然」


「即答!?じゃあさっきの言葉は何だったの?」


「冗談だ、半分は」


「半分は本気!?」


「ご主人、話が進まないんだが」


「ごめん、っていや明らかにお前のせいだろ!なんで僕があやまらなくちゃいけない

だよ!!」





「で、何でいきなり僕ら空になんかいたんだろ?たしか魔王の城にいたはずだよね?」


そう、オレたちは魔王城にいた。何故かって?そりゃ魔王を倒すために決まってんだろ。


まあこんなやつが魔王を倒せるはずがないと普通思うだろ、大丈夫だオレもそう思ってた。


だが、こんなやつでも腕はたしかなんだ。オレと契約しているのが証拠だ。


たしか・・・・・・



†〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜†


「ぐああああああああああ!!ば、ばかな、こんなガキごときに我が負けるはずがない」


「これで最後だ、バロンっ!!」


ひとりでももう倒せるだろうに、めんどくさいなぁ。でもしょうがない、やってやるか。


「「終焉よりいでしは永遠の闇、我が身に纏いしは漆黒の翼、偉大なる闇の精霊たちよ今


こそ我らに仇なすものを打ち滅ぼす槍となれっ!!


《メル・ティース・アルジス!!!》」」



ご主人とオレで今使うことのできる、闇の究極魔法を魔王へと放つ。ご主人の手へと


集中した闇の塊はどんどんとその質量を増し黒い巨大な槍と化し、魔王の体を刺し

貫いた。


一点に集中させずに放てば大陸一つくらい軽く吹き飛ぶほどの魔法だ。しかし、やつは


生きていた。


「ふっ、我はまだ・・・負けてなど・・・おらん」


さすがは魔王といったところか。というか面倒くさかったからって手抜き


すぎたかな。ばれないようにしよ。


「ええっ!どうして!?なんで生きてるの!?あれだけダメージを与えたんだから


もう立っていられないはずなのに。くそっ、僕の力が足りなかったのか・・・バロン

お前はどうだ?」


ばれたらまずい。ここは本気をだしたってことを示しておこう。


「おかしいな、ちゃんと本気で50%の力出したのに」


「お前のせいかあああぁぁ!!なんだよ50%って全然本気じゃねぇじゃん!!


なんで本気でやらねぇんだよ、闇の精霊王が聞いてあきれる!」


「さぁ、かかってこい我はまだ戦えるぞ」


なんでばれたんだ?おれのどこがだめだったんだ。もういい、


「ああん!うっせーよへタレのてめえに言われたかねえよ。面倒だから手ぇ抜いた、


悪ぃかよ!!」


「逆ギレ!?」


「我を・・・無視・・・するなぁ!!」


魔王の声と共にオレたちの体が光に包まれる。しまった、手を抜いたとはいえまだこんな


力が残っていたとは、油断していた。


「これは我の最後の力だ、倒すことはできずとも貴様らを道ずれにしてやる、みんなで


なかよく死ぬんだ!!はっはっはっははー」


魔王の最後の声を聞くと共にオレたちの体に光がまとわりついた、と思った瞬間意識が


遠のいていった・・・・・・。



†〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜†


「と、いうわけだな。魔王は最後の力でオレたちを時空魔法か何かでとばした。


それぐらいの力しか残っていなかったんだな」


「と、いうわけだ、じゃないよ!・・・まあいいや、いつものことだからもう


気にするのはやめよ・・・疲れる」


ご主人はそういうと力が抜けたように、地面へとすわりこんだ。しかし、最後の力


だったとはいえ、これだけなのか?なにか面倒なことがおこりそうな気がする。


「どうかした?」


「いや、なんでもない」


まあ、面倒が降りかかるのはいつもご主人だからいっか。



「これからどうするんだ?」


「う〜ん、ここは・・・見た感じルルティア王国の近くの草原みたいだから


まずはルルティアにいこうか」


ルルティア王国っていうのはこの世界、《ディス・ノーティス》のなかでも三本の


指に入るほどの大国だ。ルルティアでは世界最強と(うた)われた騎士団があること


でも有名だ。いや、あったというべきか。その騎士団でも魔王には歯が立たなくボロボロ


にされたと聞いている。


「ほらっ、いくよバロン」


「ああ、わかった。今行く」


そうしてオレたちは歩き出した。これから起こるドタバタな生活に巻き込まれようと


していることなど露にも思わずに。



「いやなナレーションつけないでくれ・・・。本当にそうなりそうだから」













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