表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
統べる者  作者: 八坂カロン
12/67

第一章ー11

開始早々、生徒会チームは全員が無属性のディーヴァを纏った。

相手チームは貴人達のクラスの男子二人、女子三人という構成である。

その五人も無属性のディーヴァを全身に纏う。

今までの試合よりもレベルの高い面子が揃っている。


「練習通りに行くよ!」


香はそう言うと相手達に向かって走り出す。

香の言葉を聞いてそれぞれも動き出す。

阿澄と愛斗は香の後ろに続いて走りだし、未来はその場に待機し青色のディーヴァを両腕に纏い始める。

海は木刀を持ちながら未来よりも後ろに移動している。


「これはどういう攻め方ですか?」


津々良は貴人に質問する。


「まあ見てたらわかるよ」


貴人の言う通りに津々良は試合をしている全員の動きを観察する。

相手チームは後衛が一人で残り全て前衛という陣形だ。

おそらく前衛が時間を稼いで後衛のマギで全員を戦闘不能にする狙いだろう。

香はこちらに向かってくる前衛四人に対して右手に水属性のディーヴァを纏いながらさらに接近する。


「水よ舞え!」


香が唱えると右手から水が広範囲に凄い勢いで噴射される。

相手チームの前衛達は一瞬視界が見えなくなる。

その隙に香の後ろについていた阿澄と愛斗が前衛達に肉薄する。

阿澄は右手を氷属性のディーヴァを纏い、愛斗は左腕を火属性のディーヴァで纏う。


氷の鉤爪(アイスクロー)!」

「フレイム!!」


阿澄は右手を氷の鉤爪かぎづめに変化させ、愛斗は腕を炎で纏いながら前衛達に襲いかかった。


ドゴッ!!!!!!!!!


阿澄の鉤爪かぎづめが相手の女子一人に直撃し意識を刈り取る。

愛斗の拳も男に直撃し戦闘不能にする。


「なんだと!?」


残った前衛の男があまりの速さに声を荒げた。


直後ーーーー


龍の涙(リンドブルムトレーネ)


未来が両腕に纏っていた水属性のディーヴァを自分の体よりも大きく広げて津波に変化させる。

この展開を知っていた生徒会チームは愛斗が戦闘不能の相手を二人とも担ぎ上げ素早く津波を避ける。


残った三人はいきなり現れた津波にどうすることも出来ず飲み込まれ壁に叩きつけられ意識を失う。


「「うおおおおおおおお!!!!!!」」


観客席の生徒達は生徒会チームの圧倒的な勝利に盛大に賛辞をおくる。


「なるほど、会長が相手の隙を作りその隙をあとの二人が活かして、残った者を未来ちゃんが一網打尽ってことですか」


津々良が試合を分析する。

この見解を貴人は「いや……」と否定する。


「恐らく会長と後の二人は時間稼ぎと意識を未来に向けさせない事だったんだろう」

「なるほど……」


貴人の言葉に納得する津々良。


「それにしても未来のマギは凄かったな……」

「私も最初にあれを使われた時は焦ったよ、まさか術式なしであんな大技使えるとは思ってなかったから」

「そうなんだよなーあれのやばい所は術式を使ってない事なんだよな」

「なんでやばいんですか?確かに術式なしであれをイメージするのはすごいですけど……」


津々良はまた別の質問をする。


「あれを術式なしで発動してのけた未来が術式を展開しないと発動できないマギがあるってことだぜ?」

「そういうことですね……私も未来ちゃんに術式を見せてもらったことありませんし……」

「そう言えば術式を未来に見せて貰った愛斗はとてつもなくテンションがあがってたな……」


今なら納得できるな、貴人は思う。

そんな強力な味方がいたら誰だって優勝へのモチベーションが上がるに決まっている。


「どうしよ悠奈……」

「本当にどうしよう……」


未来の強さを見て貴人と悠奈はなんとも言えない顔になった。


この後も生徒会チームは相手を圧倒し続け、決勝でも未来のマギで全員を一気に戦闘不能にし優勝したのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ