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mutation  作者: ぱるひこ
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scene1・ディフォロム

「オルフ!いつまで寝ている!」

怒号が家中に響いた。

「う、うーん。あともう少しだけ・・・うわっ!」

ベッドから落とされた。

「痛って〜何すんすか店長」

床にぶつけた後頭部を押さえながら恨めしそうに見上げた。店長のロックがいた。

「ふざけるな!さっさと起きて店手伝え!」

拳骨をおもいっきり食らわせると部屋から出ていった。

「ったく。そんなに怒んなくても・・・」

「あんたが悪いんでしょ。ぶつぶつ言ってないで早く店手伝って」

文句を言っているとおぼんを持った女が部屋に入ってきた。

「なんだよ。勝手に人の部屋に入るなって言っただろ、アリス」

ロックの娘のアリスだ。美人だが性格は男勝りのこの店の看板娘だ。

「何言ってんの。元々はここ私の部屋よ。早く着替えて下りて来てよ」

文句を言うとさっさといってしまった。

「まったく。口を閉じてればかわいいのに」

ヒュッ。グサッ。おぼんが飛んできて頭に刺さった。アリスが顔をだした。

「聞こえてるんだからね〜。変なこと言ってないで早く」

階段を下りて行く音がした。

「ぐ〜。あの親にしてあの子有りだな。両方猛獣並みに凶暴だ」




着替えて下に下りて行くと既に客が入っていた。

「ようオルフ。やっと起きてきたか」

カウンターにいる客が声をかけてきた。

「いらっしゃい。おっちゃん毎日来てよく飽きないな」

ゴスッ。脳天に衝撃が走った。

「バカッ。お客様に失礼な事言わないの!ごめんなさいハントさん」

またアリスのおぼん攻撃だ。起きてから一時間も経っていないのに四回目の頭への攻撃。流石にまいるよ。

「クククッ。お前達のケンカと同じで毎日でもここの料理は飽きないんだよ」

オルフが苦虫を潰した様な表情をした。

「オルフ。早く働いてよ!」

まだ朝の八時だというのに結構客が入っている。・・・眠い・・・・・。



一時間程して客の数が少なくなるとガラの悪い客が入ってきた。

タバコの灰落としやがって!

「いらっしゃいませ。ご注文は?」

「Aセット二つ。でよー俺がでてったらビビりやがってさー。」

「かしこまりました」

またタバコの灰を床に落とした。

「まったく。ガラの悪い客だな」

ハントが言った。

「おっちゃんも十分ガラ悪いけどね・・・。Aセット二つ」

通りすがりに呟いた。

「まったく、口の悪いガキだ」

「聞こえてたんだ」

オルフが苦笑いをした。

「オルフ持っていってくれ」

ちょうどよく注文が出来た。助かった〜。




「アリス、オルフ。ちょっと出てくるから店頼んだぞ」

「わかりました店長」

あ〜眠い。

「オルフ後ろ!」

欠伸をしているとハントが叫んだ。

「うわっ!」

後ろを振り向くと灰皿がものすごい速さで飛んできた。間一髪で避けることができた。

「何見てんだコラ!」

さっきのガラの悪い客だ。壁側の席に座っている中年のおばさんに叫んでいた。

頼むから朝っぱらから騒がないでくれよ〜。

「お客様。どうなさいましたか?」

なるべく怒りを静めようと満面の笑みで話しかけながら正面に立った。

「ナメてんじゃねえぞこのクソババア!俺様はなあディフォロムなんだよ!てめえごときすぐに殺せんだよ!」

ディフォロム・・・その言葉を聞いた瞬間オルフの動きが止まった。

「邪魔なんだよクソガキどけ!」

突き飛ばされ、背中から床に倒れた。

「大丈夫オルフ!?お客様!やめて下さい!」

アリスが駆け寄って来た。

「うるせえ!じゃまだ!どけブス!」

「あっ!」

アリスが殴られた。

「アリス!・・・てんめえ!」

オルフが男に掴み掛かっていった。

「クソガキ殺されてえのか!俺様はディフォロムだぞ!」

その言葉を聞くとオルフはうつむいた。

「・・・てめえみたいなのがいるから・・・」

小さく呟いた。それには怒りと憎しみが込められているようだった。

「何だとクソガキ!」

右頬を殴られた。

「・・・良いこと教えてやるよ・・・。本物のディフォロムには左手に痣が有るんだよ」

オルフは顔を上げて男の左手を掴んだ。そこには痣はなかった。

「う、うそ言ってんじゃねえ!」

顔を真っ赤にして物凄い勢いで殴りかかってきた。拳がオルフの顔面に当たったと思った刹那、男の目の前から消えた。

オルフはいつの間にか背後に周りこんでいた。

「ディフォロムを語りやがって・・・てめえみてえな奴がいるから俺達は!俺達は!」

男の背中の中心に思いっきり掌底を叩き込んだ。男はきれいに壁まで吹っ飛んでいった。

それを見て店の中に他の客の悲鳴が響いた。

「う、うわー!」

男と一緒にいたもう一人の男がイスから滑り落ちた。

「た、た、たすけて」

顔が真っ青になっていた。

「とっとと消え失せろ」

オルフが鬼の様な形相で睨み付けると、男は蛇に睨まれた蛙の様になって動かなくなった。

「早く消えろ!」

オルフが叫ぶと男ははじけた様に逃げていった。

「おい!そこのカスも連れていけ」

戻ってきて伸びている男を背負って逃げた。

店の中がシーンとなった。

「あっ・・・」

しまった。やってしまった。

「バカオルフ!」

「ご、ごめんアリス・・・」

「何てことしてくれるの!食い逃げされちゃたでしょ!」

オルフがポカーンと口を開いたままアリスを見ていた。

「ウチみたいな小さな店じゃ二人に食い逃げされるだけでも大変なんだよ!その分オルフの給料から引いとくからね!」

「そ、そんな〜」

ただでさえ給料安いのに・・・

「あ、あの・・・お会計お願いします・・・」

「こ、こっちも」

「私も・・・」

残っていた客がハント以外帰ってしまった。

「ごめん・・・」

「もういいよ。しょうがないよ。オルフは悪くないよ」

アリスが笑いながら言った。

「でも客・・・」

「おい。俺が残ってるだろ。しかたがねえよ、あの客どもはディフォロムを初めて見たんだろうよ。気にするこたはねえ」

ハントが慰めの言葉をかけてきた。

「おっちゃん・・・」

「お父さんには私から言っておくから休んでていいよ」

「アリス・・・。顔・・・大丈夫か?」

アリスの左頬には少し痣ができていた。

「これくらい平気平気!慣れてるから!」

頬をペチペチ叩きながら言った。

「そうか・・・。じゃあ休ませてもらうよ」

階段を上っていった。

「ねえハントさん。ディフォロムって何なの?」

「ディフォロムか・・・。人と違う力を持ち、もっとも嫌われている人の呼び名ってところかな」

「嫌われ者・・・」

アリスが呟いた。

「さっきみたいに普通の人の何倍もの力を持っている人もいれば特殊な能力を持っている人もいる」

「何で嫌われ者なんですか?」

「さっきの奴みたいなことを一部の奴等がしていたからさ。それに便乗する奴も出てくる。さっきみたいに」

「そんな・・・だからあんなに怒って・・・」

「俺も帰るよ。元気だせって言っといて」

「ありがとうございました!」

ジャンルが自分でもよく分かりません・・・

誰か教えて下さい!

とにかく皆さんに楽しんでいただける小説が作りたいです!

評価・コメントなんでもいいのでよろしくお願いします!!!

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