領都コイン
この物語はフィクションです。
央海歴824年3月1日
5時30分 コイン領・領都コイン
「スミ―、腹が減ったな。朝飯を何か買おうぜ~。」
ホサ兄の調子が戻って来たようだ。表情もいつもの感じに近くなった。
「ホサ兄はコインのチーズ・ニンニクピザが好物だろう。
それにしようぜ。当分は食えなくなるぞ。」
「おおっ、良いなそれ。そう言えば領都コインにも、簡単には帰ってこれなくなるわな。
食い納めだ。スミ―、せっかくだから良い店に行こうぜ。
そこらの屋台も良いけど、チーズ・ニンニクピザが美味いっていう。
早朝から営業している店があんだよ。そこにしよう。」
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5時50分 同
「かぁ~~っ。旨いわぁ~。過去最高のチーズ・ニンニクピザだぁ~!。」
「ああっ、旨いな。ホサ兄。
チーズが普段食っているのと訳が違うわ。蕩けて伸びて塩味が良いわ~。」
「こんなに旨いんだったら、もっと早く無理してでも来るべきだったぁ~!。
もっと早く知りたかったぜーー!。」
実際にチーズ・ニンニクピザは絶品だった。
店内は朝からコインの人々でごった返している。
Mサイズのピザ1枚が15コイン(約2,100円)する。
コイン領の住人ならば特に高いとは言えないが。
現金収入の乏しいヴィザンの者からすると、ピザ1枚に15コインは暴挙だ。
もちろん品質は天と地の差があるが、ヴィザンでMサイズのチーズ・ニンニクピザを食べると。
恐らくは2コイン(約280円)程度で、店で食べる事が出来るな。
「スミ―、ビールも飲もう。
サ~オ~リ~。お姉さん、小ジョッキ2つお願いします。」
「はい。お客様。小ジョッキ2つで6コイン(約840円)となります。」
「はい。6コイン。」
「直ぐにお持ちしますね~。」
「お、おいおい。ホサ兄、早朝から酒はマズイよ。
しかもビールを飲むのかよ。」
「良いんだって、スミ―。
この後は乗合馬車で移動なんだからよ~。
俺らはただ座ってるだけで目的地に着くんだからさぁ~。
コインはビールの大生産地なんだから、スゲー旨いぞぅ。
俺は何回か呑んだ事があるけど、スミ―はまだコイン・ビール飲んでないだろ。
せっかくだから飲もうぜぇ~。」




