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族長兄貴

この物語はフィクションです。

 央海歴824年2月27日


10時00分  ヴィザン中心地


(俺の名はスミ―。山奥の密林であるヴィザン集落の若い衆だ。


まぁ若い衆と言っても既に20歳になった。


ヴィザンの平均寿命が34歳という事を考えると、若いとはもう言えない。)



「なんだろうなぁ~、スミ―。兄貴は何の用があって俺らを呼んだんだろぅな~。お前、何か知らないか?。」


「俺が知ってる訳無いよ、ホサ兄。けど兄貴が態々呼ぶからんだから、大事な事だろうよ。」



(俺はヴィザンの族長一家の生まれだ。


まぁヴィザン自体が周辺の集落を全て集めても、人口が6,000人に満たない程度だ。


たかが知れている。それに俺の父親である前族長は子だくさんだった。


総数87人・・・。父親は立派な上に賢い人だったから、ヴィザン自体も上手い事運営していた。


直線距離だと以外と近い大都市コインとも、良好な関係を続けていた。


・・・もっとも父親の渾名は『ヴィザンの大種牡馬』だったが。)



~~~~~


10時10分  同


「悪かったな2人共に、急に呼び出してしまって。」


「族長。俺らなら大丈夫ですよ。族長のお呼びですから、直ぐに来ますよ~。」


 俺に取っては族長は10歳年上。そして父親の長兄だ。


ホサ兄と2人の時ならば単に『兄貴』と呼んでいるが。


当然本人の前では敬意を込めて族長と呼んでいる。



「・・・2人共にレンタイ国は知っているか?。」


「尻女神教徒のレンタイ国で良いですか~、族長?。」


「そうだ。ホサ。スミ―。2人には悪いが・・・2人共にレンタイ国に行って欲しい。」



「「・・・。・・・。冗談ですよね。」」


「儂が冗談を言う為に2人を態々呼ぶと思うのか。スミ―はどうだ。」


「・・・冗談な訳無いか。マジですか。」


「当たり前だ。」



族長は俺達それぞれにオウカの袋を渡して来た。


「中に2万オウカ(約280万円)入っている。


これで身辺を整理してくれ。残った金は自分のモノにして良いぞ。」



「族長。俺は結婚して嫁さんがいますし、子供は生まれて3ヵ月になった所です。


あの・・・俺とスミ―がレンタイ国に行くってのは。


『尻女神教徒』になれって事ですか?。」



「もちろんだ。・・・、お前たち2人には本当に済まないと思っている。


だが、これは絶対に必要な事だ。儂の占星術でハッキリと未来が見えた。


儂は計3度、検証を繰り返したが結果は同じ・・・。


ヴィザン存続の為にはお前たちが『尻女神教徒』になる事が必要だ。」



「「・・・。」」



「ホサ。スミ―。お前達の家族は儂が全面的に面倒を見る。


決して不自由はさせない。儂が生きている内は絶対にヴィザンで優遇する。


頼む。ヴィザンの為だ。ホサ、嫁と別れてくれ。


スミ―、お前には結婚させてやる事は出来なかったが、今後は諦めてくれ。」



「「分か、分かりました。族長。族長のご命令に従います。」」

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