尾瀬『入域料』の議論浮上
群馬県の山本一太知事は2024年12月4日の記者会見で、尾瀬国立公園(福島、栃木、群馬、新潟の4県にまたがる国立公園)に関し、登山者や観光客から『入域料』の徴収を検討すると明らかにしましたよね。
木道や登山道の整備に充てる考えで「尾瀬の素晴らしい自然を維持するには財源が必要だ」と述べたそうですが、当然のことだと私も思いました。
山梨県は2024年の夏、富士山の登山道に通行料2千円を義務付けましたが、富士山の環境を保護するため、観光客らから料金を得る流れは当然だし、登山道や公衆トイレ等を綺麗に維持する必要経費だと思っていますし、ルールやモラルが守れない観光客は、富士山に登山すべきではないとも思っています。
環境保全の費用を賄うため登山者や観光者に負担を求めたいという群馬県の発案だが、福島側は観光客の落ち込みにつながりかねないと慎重な姿勢なのだそうです。
現実のはなしですが、尾瀬の維持は少数の尾瀬保護財団臨時職員(管理員)と尾瀬ボランティアの方々でなされているのです。
尾瀬保護財団臨時職員(管理員)の募集は日額10,192円で、わずか10名だけです。
【業務内容】
尾瀬地区ビジターセンターの管理業務等
ア ビジターセンター窓口での案内・説明
イ 尾瀬の自然についての解説
ウ 公衆トイレなど公園利用施設の維持・清掃
エ 植生荒廃地の復元作業補助
オ 尾瀬地区の巡回(至仏山、燧ヶ岳など)、自然情報等の収集等
それ以外は皆、尾瀬ボランティアなんですよ。
ボランティアの方たちなんですから、交通費や昼食代程度は出るのかも知れませんが、たぶん給料はありませんよね。
※登録人数 285名(令和6年12月1日現在)
【プロテクター(自然保護)的活動】
尾瀬ボランティア活動の大部分を占める大切な活動
・ 入山口啓発活動(尾瀬利用時のマナーやルールの呼びかけ、情報提供)
・ 巡回・清掃活動(開花状況や登山道の状況等の情報収集、ゴミ拾い)
・ 自然環境保全活動(外来植物除去作業、植生保護柵設置・撤去)
【インタープリター(自然解説)的活動】
尾瀬ボランティアとしての一定の経験が必要な活動
・ 自然解説活動(ビジターセンター周辺での案内や自然解説)
※所定の研修を修了する必要があります。
・ 地域活動(お住まいの地域での尾瀬の自然や保護活動の紹介)
上記のような観光客にとって非常に有難い活動のほぼ全てが、ボランティア活動での維持管理されている状態なんですよ~ 考えられますか?
もしかしたら観光客が転倒等でケガをした場合には、防災ヘリの手配や応急手当等もする場合があるのかもしれません。
本来ならば、ボランティア活動に依存するのではなく、日給を支払って協力願うべきなんですよ。
高額の給料をもらう県職員が、交代で尾瀬ボランティアの体験して実態を理解してから、再度話し合ってみてはいかがでしょうか。
観光で利用する側の私としては、木道や登山道、公衆トイレ等の整備に必要な経費は、ある程度『受益者負担』で良いと思うし、『入域料』が決まればお支払いしますよ。
何処の観光地の駐車場だって維持管理のために、マイカー利用者は駐車料金を支払うのですから・・・
一人1000円~2000円程度の『入域料』で済むのであれば、さほど抵抗なく受け入れられると思うのですが、そんなふうに思っているのは私だけなのでしょうか? そうであれば残念ですが・・・
新潟県妙高市によると、国の特別天然記念物ニホンライチョウの保護や自然環境の保全の財源としており、2024年は約480万円が集まったそうで、導入後の入山者数に大幅な増減は無いのだそうです。
尾瀬の場合は4県の調整が必要とのことですが、自然豊かな尾瀬がこれからも素敵な観光地であり続けるためにも、良い方向に維持管理出来る体制となることを願っています。
私も尾瀬を6時間ほど散策で歩いたことがありますが、弁当とペットボトルのお茶がありましたので、尾瀬の中で使ったお金は、公衆トイレに設置されたトイレチップ箱に入れた100円だけでしたよ。
尾瀬の中で素敵な風景を見せて頂いた訳ですが、これではトイレの維持管理にしか協力していないってことですよね~
今振り返って考えてみると、何だか申し訳なく思ってしまいますよ・・・




