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バイデン大統領のUSスチール買収阻止

 バイデン米大統領が、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を阻止する命令を出したが、混迷を極めている。

 全世界で見れば、粗鋼生産量の約6割が既に中国産だ、脅威なのだ。


 中国では採算度外視で、公害対策も不十分なまま、需要を大幅に上回る過剰生産を続けている。


 それも中国国内で消費しきれれば良いが、高層住宅の建築等も低迷しているため、鉄余りで海外に安価な価格で輸出するのだから、輸出された国の鉄鋼メーカーにとっては、たまったものではない。


 中国では今も計画経済的な状態で生産なのだから、例え不採算となったとしても廃炉はせず生産を続け、国家プロジェクト的な巨大公共事業でカバーすれば済むって考えだろうから、どうにもならない。


 そこで割を食ったのが、生産設備が老朽化していて効率的な生産も出来ず、最新技術も持っていない、人件費等も高く経営状態が危機的な、米鉄鋼大手USスチールとなる。


 USスチールの経営側としては、経営再建中だったが自力での再建をあきらめ、日本製鉄の傘下に入ることで、老朽化した生産設備の更新や最新技術の導入をしたい。


 米国内の同業他社が提示した買収案よりも、日本製鉄の提示した買収案が良いと判断したためだ。


 全米鉄鋼労働組合側は、「買収が実現すればUSスチールの生産拠点が移管されるおそれがある」として、懸念を示して反対しているようだが、現状でもUSスチールはかなりの経営危機状態なのだから、このまま生産を続ければ近々立ちいかなくなり、倒産することは判っているはずで、何故反対なのか実態はよく判らない。


 バイデン大統領にしても次期トランプ大統領にしても、全米鉄鋼労働組合からの票欲しさでの反対ならば、USスチールの経営危機状態とその実態を理解しているかどうかも疑わしい。


 ただ反対するだけならば、誰でも簡単にできる。


 バイデン大統領は「買収計画を完全かつ永久に放棄するために必要な全ての措置を講じるよう命令」したが、その反対理由「安全保障上の優先事項で、強靱きょうじんな供給網の維持にとって不可欠だ」ではなく、しっかり具体的な経営再建のための代案を示して、皆を納得させることが大切だろう。


 日本企業に買収されるのがイヤなのならば、米国の同業他社に対して、新日鉄の買収条件以上の提案を出させるよう、再要請しても良いのだから・・・

 日本製鉄にとって、米鉄鋼大手USスチールの買収が本当に必要なのかも疑問だが・・・


 買収後も、全米鉄鋼労働組合がネックになりそうで・・・


 かなり勝手な意見だけど、もしもシェア拡大戦略が目的ならば、USスチールが運営している欧州事業、中央ヨーロッパのスロバキアのUSスチールコシツェ、USスチールセルビア(スメテレボ)の2つを売ってもらえば、生産能力が約500万トン増えるのだから、妥協しても良いと思うのですよ。

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