小西六パールⅣ
私の保有する最古のカメラは、小西六パールⅣです。
その次に古いカメラは、PENTAX 6×7ですかね。
パールⅣは、日本最古のカメラメーカーであった名門小西六写真工業(当時)が、製造していた中判蛇腹カメラです。
最初のパールI型は昭和24年(1949)に登場。
昭和26年に改良されたパールⅡ型が発売され、大幅に使いやすくなったそのモデルは大いに人気を博したのでした。
昭和30年(1955)にはスタートマーク式自動巻止め機構を備えたパールⅢ型に進化。
昭和32年(1957)には更に改良されパールⅢL型になります。
昭和33年(1958)末それまでのボディを大改良し、ダイカストボディを採用するなど使い勝手を向上した決定版パールⅣ型が登場します。
ところが時代はすでに35mm判カメラの時代となっていたため人気が出ず、わずか半年ほどの間に5,000台ほどの生産台数でパールの歴史は幕を閉じることになったのでした。
そんなパールⅣを会社の知人に「もう使うことも無いから」と、譲ってもらったのが、昭和の終わりごろでしたか・・・
馴染みのカメラ店のショーウィンドウに長い間飾っておいて貰い、たまに写真を写したりでしたが、展示時にシャッターのオーバーホールもして貰いましたね。
しかし残念ながら、私の保有するパールⅣは、いつの間にか経年劣化で、レンズが曇ってしまいましたので、今では製造当初のように綺麗に撮影することは出来ないと思います。
牛皮のカメラケースも、ついに劣化でダメになりました。
オーバーホールはしたものの、かれこれ20年以上も、パールⅣにフイルムを入れて写真撮影していない気がしますので、今は無事正常作動するかも不明ですが・・・
パールⅣに入れるブローニーフイルム自体、フジのカラーネガフイルムは既に生産終了。
他メーカーのフイルムは使わないので不明です。
黒白ブローニーフイルムとリバーサルブローニーフイルムが辛うじて売っていますが、値段を聞くと驚くと思いますよ~
黒白ブローニーフイルム・・・ネオパン100 ACROS II 12枚撮/1パック(ブローニー)がメーカー直販で2,310円(税込)
リバーサルブローニーフイルム・・・一番安価なフジクローム VELVIA100 12枚撮/5パック(ブローニー120)でも、メーカー直販で15,510円(税込)
※パールⅣはセミ版の645なので、フイルム1本で15~16枚写せます。
写真を写せば、これに現像代とプリント代、現像したフイルムをデジタル化するにも、1枚当たり数百円必要となります。
デジタルカメラ時代にフイルムカメラを使って写真を写すのは、ハッキリ言って道楽以外では考えられないですね。
おまけに露出計がカメラに付いて無いので、デジカメの露出データを参考にして絞りとシャッタースピードをセットし、写すことになるので、かなり不便ですよ~
※このエッセイ「小西六パールⅣ」の作成にあたり、有限会社ハヤタ・カメララボ様のパールⅣについての解説資料を参考に使わせて頂きました。