万博の光と闇
華やかな大阪・関西万博が無事?に閉幕しましたね。
運営費の収支では当初は赤字見込みでしたが、230億~280億円の黒字となる見通しとの嬉しい発表がありました。
でも大屋根リングをはじめとするパビリオン等の会場建設費2350億円は、運営費とは別の収支となり、最終的な黒字額が確定するのは、会場内のパビリオンや施設の解体を終え、博覧会協会が解散するときになるとのことです。
運営費については何とも明るい話題ですが、大阪・関西万博に出展した企業については、随分話が違うようです。
例えばパソナグループは、パビリオン「PASONA NATUREVERSE」を出展しましたが、2025年10月15日に発表した2025年6~8月期連結決算は、売上高が前年同期比0.8%増の769億円、最終利益が6億円の赤字(前年同期は11億円の赤字)です。
この6億円の赤字の中には、大阪・関西万博に関し、出展関連費用5億円を特別損失に計上したことがありました。
パソナは2025年5月通期にも、万博出展関連費用として48億円の特別損失を計上していますから、合計で53億円もの特別損失となります。
パソナグループのPR費用としては、余りにも巨額でした。
万博出展は、業績の大きな重荷となったみたいですね。
費用対効果って言葉がありますが、残念過ぎる結果だと思います。
上場企業である以上は、最終黒字が必須なのでしょうが、2025年5月通期は赤字となっていましたからね。
特別損失の53億円を稼ぎ出すには、更に幾らの売り上げが必要なんだろうかって考えたら、利益率10%の企業なら530億円程度も追加で必要なんですよね。
利益率5%の企業なら1060億円も売り上げが必要ですから、そこに勤める従業員は大変だろうなって、ゾッとしてしまいました。
過去の利益からの剰余金が多くあることから、配当金に変更は無いようですが、全く収益につながらない結果が少し気になってしまいます。
2026年5月通期については、たぶん黒字となるのでしょうが、パビリオンを淡路島に移設するみたいですから、移設後の費用も発生する可能性がありますよね。
後世にパビリオン等を残すことも大切ですが、悩ましい問題です。
大阪・関西万博に出展した他の多くの企業も、華やかな万博出展の裏側で、同様に特別損失等を行っているのでしょうかね・・・
パビリオン等の建設費については、いまだ未解決の下請け業者への未払い問題もありましたね・・・
更に会場の解体についても、産廃処理場が満杯等の理由で、産廃の受け入れ処理が遅れることが懸念されているから、同様に解体業者への未払い問題が発生する可能性が高い状況のようですよ。
国を挙げての一大イベントの後始末なはずなのに、博覧会協会もいい加減な対応で本当に困ったものです。




