写真用フイルムの偽フイルム
メルカリなどのフリマサイトで、35ミリフイルムを買ったところ、パトローネ(写真フイルム用の筒状容器)に、町中の写真店で行っている一般的な方式での現像が出来ない映画用フイルムを詰めた『別物』の『偽フイルム』だったという事案が、多々発生しているそうです。
写真用の35ミリフイルムを製造販売している富士アイルムも、2019年6月に注意喚起を行っていますが、2025年10月にニュースとして取り上げられるってことは、今現在も35ミリフイルムの『偽フイルム』が多数流通しているってことなんでしょう。
万が一この『偽フイルム』を写真店で現像してしまうと、現像液が汚染され、液の交換や現像機のラック洗浄が必要となったり、他の顧客のフイルムの現像不良につながる可能性があるのだそうです。
だから、お客様から現像依頼されたフイルムが『偽フイルム』と判断された場合、写真店では現像することを断っているということですね。
一応、お客様には現像が出来ない理由も説明されていることでしょうが、説明に納得がいかなければ、理解されてなければ、再び他の写真店に現像依頼する可能性もある訳ですよ。
富士フイルムは、一般用フイルムの現像取り扱い店舗・現像所には注意喚起を行ったとしていますし、映画用フイルムを扱う現像所でも、非正規品の現像は受け付けていないそうなので、折角写した写真が現像出来ないことになる訳です。
知識のない作業員がそのまま機械にかけてしまうケースもあり得るとして、「万が一、事故が発生してしまうと、フイルムを持ち込んだ方へ損害賠償責任が発生する可能性もある」と注意を呼び掛けてもいますので、残念でしょうが現像は諦めてくださいネ。
実はこの『偽フイルム』って、馴染みのカメラ店社長の話によると、数十年前にも一時流通して大騒ぎになったことがあったらしいのですよ。
まだ当時はフリマサイトでの販売はありませんでしたが、廃棄される35ミリフイルムのパトローネに、コッソリ映画用フイルムを詰めてしまう方たちがいたのだそうです。
馴染みのカメラ店社長が、「誤って『偽フイルム』を現像してしまうと、大損するからフイルムの確認を徹底している、もし『偽フイルム』と判明した場合は現像依頼も断っている」って話してくれましたね。
当時はまだ一般向けの安価なデジタルカメラなんて存在しなかったので、カメラ店には大量に現像依頼のフイルムが届くのです。
そこに『偽フイルム』が間違って1本混入し、その『偽フイルム』を現像してしまうと、現像機内の現像液交換や現像機のラック洗浄等で大混乱ですよね。
きっと、正しく現像処理が出来なかったフイルムもあったことでしょうから、現像の依頼主にも平身低頭で謝ったことでしょう。
「天災は忘れた頃にやって来る」なんて格言がありますが、今回の『偽フイルム』のような傍迷惑な人災・問題事案も同様に、忘れた頃に昔と同様の手口、場合によってはもっと巧妙な手口で、何度も何度も発生するのでしょうね。
メルカリなどのフリマサイトで物品を販売する方々も、販売する商品についてはそれなりの責任が伴うって理解して、無責任な対応や逃げはしないよう、最後まで責任を持った真摯な対応をお願いたいものです。
つい最近も消費量の減少もあり写真フイルムが大幅に値上げされ、35ミリフイルムも非常に高くなってしまいました。
フリマサイト等で出品された35ミリフイルムいくら安いからといって、日本国内で中国語表記の35ミリフイルムを買うのは、『安物買いの銭失い』となる可能性があるので、絶対に止めておいた方が良いですよ~




