がん細胞を食べて除去
人間の体内では毎日100億個を超える不要になった細胞が死に、マクロファージなどの貪食細胞が食べることで取り除かれているのだそうです。
しかし、年をとるにつれてマクロファージなどでは不要な細胞が死ななくなり、『がん細胞』として体内に残ったままになってしまうらしい。
これこそが人間の生体機能が年齢と共に衰える、老化現象なんでしょうかね。
昔聞いた話では、人間の細胞分裂はコピーをするのと同じだから、偶にコピーの失敗をすることがあるらしく、特に高齢になるにつれ老化現象として顕著なのだとか。
コピーを失敗して『がん細胞』化した場合でも、白血球の一種であるマクロファージが『がん細胞』を見つけ出して戦い、食べて駆逐してくれている。
通常では全戦全勝が当たり前のマクロファージですが、必要な栄養が不足していたり、生活環境や生活習慣が悪かったり、病気等で免疫が衰えてしまったり、過剰な放射線を浴びたりすると、時として『がん細胞』を駆逐する機能が衰えてしまったり、必要な数が揃わなくなったりで、今までは当然として出来ていた仕事が不完全となるらしい。
もしもマクロファージが全戦全勝でなくなり、一部が『がん細胞』として残ってしまって、更に負けが増えると『がん細胞』がドンドン増殖するってことでした。
そして『がん細胞』が大きくなると、マクロファージでは全く太刀打ち出来なくなり、正常な細胞までが『がん細胞』化してしましい、最後は死に至ってしまうってことでした。
今までは老化現象として『がん細胞』が増殖する前に、殆どが他の疾病で亡くなっていました。
そうです、脳卒中や心臓病、肺炎などの疾病ですね。
そして、そんな上記のような疾病も医学の進歩で治療が出来てしまうために、今では簡単には亡くなることも無くなり、老化現象としての『がん』だけがワル目立ちするようになったのです。
そして『がん』に対して有効な治療法は、切除と抗がん剤、放射線治療等なのですが、副作用等が強く出てしまい、あまり満足な成果が上げられなかった。
でも、新たな治療法が開発され、マウスによる治療研究では、『皮膚がん』についてですが、治療効果が確認されたようで、今後は人間を対象にした臨床研究で、安全性や効果を確かめるようです。
新たに開発した合成たんぱく質「クランチ」を『がん細胞』にくっつけることで、マクロファージが不要な細胞と認識して、積極的に『がん細胞』食べて取り除く方法みたいですが、もしかすると数十年後には、ごく当たり前のがんの治療方法になっているかもしれませんよ。
治療研究は専門では無いので、残念なことに「へ~凄いね」としか、私は理解していません。
でも想像するに、自分自身の細胞であるマクロファージが、がんの治療に大活躍するのですから、副作用等はきっと少なくなり、身体の負担も確実に減るのでしょう。
詳しく知りたい方は、京都大学の発表した研究成果を調べてみてくださいネ。




