カメの引っ越し?
オマケで後半に、なんとなくファンタジーなショートショートも書いてみました。
左右に池がある道で、急に前を走る車が停まった。
私も追い越さずに、ブレーキを掛けて停まった。
前の車がハザードランプを点灯させたかと思ったら、ドアが開いてドライバーが車の外に出てきた。
そして、車の前の方に歩いて行った。
何かあったのかな?
何かにぶつかったのかな?
障害物となるものでもあったのかな?
などと思っていると、ドライバーが小玉スイカほどの大きさの、黒っぽい塊を持って、道路の左側の歩道に歩いて行く。
ドライバーは黒っぽい塊を歩道の左隅に置くと、車に戻って来た。
前の車が発進したので、小生も車をゆっくり発進させた。
前のドライバーが歩道の左隅に置いた塊りをチラッと観ると、カメだった。
カメが頭と手足を出して、歩道の左隅から土手の斜面を降りれば、そこは池だ。
カメが目指していた池かどうかは、カメに聞けないので判らない。
でも優しいドライバーのお陰で、車にひかれて死なずに、命拾いをしたことだけは確かなことだ。
チョット文字数が少ないので、ファンタジー的にカメ目線でを考えて、ショートショートを書いてみる。
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吾輩は『カメ』と言う存在らしい。
丈夫な甲羅も持たないで、他の存在の革や元は植物らしいもので、甲羅のかわりに身体を覆っている『人間』と言う存在が、そんなことを言っているのを聴いたことがある。
吾輩は、吾輩が住む北の池から、餌が豊富にあるとの噂に聴く南の池に引っ越しをするために、のんびりと歩いていた。
すると急に、吾輩の何千倍も大きい『超巨大なカメ』らしき存在が、目の前に現れて停まり、低い声で唸っている。
そして『人間』なる存在までが現れて、吾輩は捕まってしまった。
あぁ~殺されてしまう・・・と思ったが、あっという間に甲羅を掴まれてしまったので、抵抗することすら出来ず、手も足も出ない。
かつて『巨大なカメ』らしき存在に、躊躇なく踏みつぶされた、仲間の無残な姿を見たことがあったからだ。
恐怖に震えながら、頭も手も足も甲羅の中に入れて耐えていると、何故か解放されたらしく、『人間』の気配が消えた。
さらに、『超巨大なカメ』らしき存在の気配も消えた。
恐る恐る甲羅から頭を出してみると、目の前に南の池があった。
吾輩は可能な限り急いで、南の池へと続く土手の斜面を必死に降って行った。
カメラ目線ならぬ、カメ目線で少し書いてみました。
追伸
現代ファンタジー的なSF小説、全9話を11月29日から12月7日まで、毎日6時10分に9日間連続アップ中です。
小説のタイトルは『 閃光 衝撃 轟音 の記憶 』ですよ~




