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カメの引っ越し?

 オマケで後半に、なんとなくファンタジーなショートショートも書いてみました。

 左右に池がある道で、急に前を走る車が停まった。


 私も追い越さずに、ブレーキを掛けて停まった。


 前の車がハザードランプを点灯させたかと思ったら、ドアが開いてドライバーが車の外に出てきた。


 そして、車の前の方に歩いて行った。


 何かあったのかな?


 何かにぶつかったのかな?


 障害物となるものでもあったのかな?


 などと思っていると、ドライバーが小玉スイカほどの大きさの、黒っぽい塊を持って、道路の左側の歩道に歩いて行く。


 ドライバーは黒っぽい塊を歩道の左隅に置くと、車に戻って来た。


 前の車が発進したので、小生も車をゆっくり発進させた。


 前のドライバーが歩道の左隅に置いた塊りをチラッと観ると、カメだった。


 カメが頭と手足を出して、歩道の左隅から土手の斜面を降りれば、そこは池だ。


 カメが目指していた池かどうかは、カメに聞けないので判らない。


 でも優しいドライバーのお陰で、車にひかれて死なずに、命拾いをしたことだけは確かなことだ。 




 チョット文字数が少ないので、ファンタジー的にカメ目線でを考えて、ショートショートを書いてみる。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 吾輩は『カメ』と言う存在らしい。


 丈夫な甲羅も持たないで、他の存在の革や元は植物らしいもので、甲羅のかわりに身体を覆っている『人間』と言う存在が、そんなことを言っているのを聴いたことがある。


 吾輩は、吾輩が住む北の池から、餌が豊富にあるとの噂に聴く南の池に引っ越しをするために、のんびりと歩いていた。


 すると急に、吾輩の何千倍も大きい『超巨大なカメ』らしき存在が、目の前に現れて停まり、低い声で唸っている。


 そして『人間』なる存在までが現れて、吾輩は捕まってしまった。


 あぁ~殺されてしまう・・・と思ったが、あっという間に甲羅を掴まれてしまったので、抵抗することすら出来ず、手も足も出ない。


 かつて『巨大なカメ』らしき存在に、躊躇なく踏みつぶされた、仲間の無残な姿を見たことがあったからだ。


 恐怖に震えながら、頭も手も足も甲羅の中に入れて耐えていると、何故か解放されたらしく、『人間』の気配が消えた。


 さらに、『超巨大なカメ』らしき存在の気配も消えた。


 恐る恐る甲羅から頭を出してみると、目の前に南の池があった。


 吾輩は可能な限り急いで、南の池へと続く土手の斜面を必死に降って行った。



 カメラ目線ならぬ、カメ目線で少し書いてみました。

追伸


 現代ファンタジー的なSF小説、全9話を11月29日から12月7日まで、毎日6時10分に9日間連続アップ中です。


 小説のタイトルは『 閃光 衝撃 轟音 の記憶 』ですよ~

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