ジェットフォイル
東京都の離島航路を担う「東海汽船」から、ジェットフォイル「セブンアイランド愛」の引退が発表されました。
私も以前乗船したことがありますが、本当に快適で速かった・・・
屋久島に船で渡ったときにも、ジェットフォイル「トッピー」に乗船しましたね。
ジェットフォイルは海上を時速約83kmの高速航行することができる、水中翼船ですが、米国のボーイング社が超高速で航行できる軍用船舶として開発したものを、民間用船舶に転用したものです。
既にボーイング社は撤退してしまい、今は日本の川崎重工業がライセンスを引き継ぎ、保守・管理を担っていますが、現在運航されているジェットフォイルは製造年がとても古く、そろそろ引退時期なのだとか。
更に新造船を造っていないため、技術継承が出来ておらず、ロストテクノロジー化しているとのことです。
技術継承のために2020年に川崎重工業が退職したOBを呼び寄せ、一艘だけ新造船を造ったものの、今現在も都合よく受注できる環境にないようですから、何とも困ったものです。
以前、テーマパーク向け蒸気機関車の製造メーカーである協三工業が、同様に退職したOBを呼び寄せ、蒸気機関車の製造ノウハウを残すために四苦八苦して、若手への伝承やノウハウを映像等に記録しデータ化して残したと記憶していますが、ジェットフォイルも同じで状況なんですよね。
アメリカではジェット戦闘機のF15やF16を、バージョンアップ等しつつ現在でも生産し続けていますが、生産設備が既に無いため日本ではF2やF4を生産することすら出来ないのと、やはり元凶はたぶん同じなんですよね。
普通の船の約3倍の高速航行をするので鯨とも衝突もするし、建造費もバカ高いし、メンテナンスも難しいし、軽油を1時間に2150ℓ消費と凄く燃費も悪いし、乗客はシートベルト着用だし、車や大きな貨物・荷物は運べないしで、色々と難点が多いものの、やはり速くて快適で便利は捨てがたい。
日本各地のジェットフォイルが引退する前に、何とか代替議論が進展することを願うばかりです。
同じような高速船に、時速約100kmで航行可能なホバークラフト(エアクッション艇)もありますが、現在は大分空港の会場アクセスに利用されているだけのようですし、乗船定員もジェットフォイルよりもかなり少ないので、あまり普及しないのでしょうかね~
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