遂に追浜工場生産終了
経営再建中?の日産自動車、遂に追浜工場の生産終了を発表してしまいました。
日産自動車グループの完成車メーカー『日産車体』の湘南工場も生産を終えるとのことですから、日本国内東京圏で2工場が生産終了です。
生産設備が古く、人件費等も東京圏内で高いことから、多分他の工場よりも生産コストも高くなるのでしょうから、日本ではこの2工場が選ばれたのでしょう。
年間生産能力は追浜工場が約24万台、湘南工場が約15万台みたいなので、40万台近くもの生産能力が減少するのですが、日産自動車の全世界生産台数が、ピーク時よりも250万台程も減少していることを考えると、もうこれも仕方がないのかとも思えてしまいます。
考えてみれば、自動車生産台数を異常に増やし続ける中国1国だけでも、世界中の自動車重要より多い自動車生産能力があるとも言われているのですから、世界中の自動車生産ラインの稼働率はとても低く、その中の幾つかの工場は確実に採算が合わないほどに稼働率が低くなっているのだろうと、想像してしまいます。
既に超過剰なほど乱立した中国の自動車生産工場は、大手を除き次々と倒産していますし、超大手のフォルクスワーゲンですら稼働率が低すぎて不採算なため、中国の上海工場を閉鎖するらしい。
そして今も中国の大手自動車メーカーが世界の彼方此方に、主に電気自動車を生産する最新鋭の新工場を次々と造っているのですから、既存の設備が老朽化した自動車生産工場は、今後も次々と淘汰されていくのでしょう。
追浜工場に働いている従業員やその家族は、他の工場に配置転換で引っ越しをせざるを得ない、自宅が持ち家で住宅ローンを返済中なんて方も大勢いらっしゃるでしょうから、今後大変な混乱が予想されます。
東京圏内以外は確実に過疎化が進む日本ですから、大勢の従業員が地方に異動することで、地方の過疎化進行が少しでも遅れるのであれば、人口減少に苦しむ地方が活性化するのであれば、配置転換される従業員の皆様には大変申し訳ないとは思いますが、地方の新天地で是非頑張って頂きたいと思ってしまう今日この頃です。
何にせよ今後売れる車が造れなければ、日産自動車の未来はありません。
良い例が、商用車のタクシーとマイクロバス、ライトバンです。
タクシー専用車のクルーは2009年に生産終了、NV200タクシーも2021年に生産終了。
マイクロバスはトヨタのコースターに市場を独占され、シビリアンは2021年に生産終了。
ライトバンもトヨタのプロボックスに完敗で、ADも2025年中に生産終了。
生産する車種がフルラインナップである必要は無いと思いますが、これと言って確実に売れる人気車種が殆ど無いのが、日産自動車の現状なのですよ。
乗用車の2025年上半期新車販売ベスト10に入っている日産自動車は、残念ですがノートだけなのです。
軽自動車の2025年上半期新車販売ベスト10に入っている日産自動車も、ルークスだけなのです。
一時期は1カ月に4000台以上も販売したこともあるサクラも、最近は数百台、補助金ありきの電気自動車は小さなパイの奪い合い、使い勝手が悪いのか中古車市場で安値になるためか、ある程度流通したらその後はさほど売れない。
やはり、トヨタのヤリス・カローラ・シエンタ・ライズ・ルーミー・アルファート・アクア・プリウスのような人気車が複数車種無いと、日産自動車の存続すらも難しいのではないでしょうか。
工場閉鎖となると、確実に工場近隣の商店街等も閑散としてしまうのですから、新たな工場誘致等、国や地方自治体の奮闘も期待したいところです。




