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過剰設備 過剰生産

 トランプ関税の影響で世界中大騒ぎですが、何故このような事態になったのでしょう。


 アメリカの超貿易赤字が原因とか、衰退したアメリカの製造業復活のためとか、中国の安価な製品に席巻され産業が育たないとか、色々なことが言われていますが、本当のことは判りません。


 ただ、このような過激な方法を取らざるを得ないほどに、世界中がおかしな状態になってしまっていることだけは、間違いないのでしょう。


 資本主義経済は本来は、民間企業が利益を求めて競争する経済なのですから、消費者のニーズに合わせて、より良い製品・より便利な製品・より安価な製品・より付加価値のある製品等を常に開発し続け、競争に負ければ倒産や衰退していくのは当たり前のこと。


 かつての国鉄のような、親方日の丸でどれだけ赤字経営となっても問題ないって考え方や企業は、競争原理に反するのだから、本来はあってはならないのです。


 官民で官が民を圧迫してしまっては、戦時体制で無い限り、資本主義経済は立ちいかないのですから。


 戦時体制時のアメリカは、戦艦等の兵器を国を挙げて次々と大量生産して栄華を誇る状態でしたが、今では必要量の戦艦等を造ることすら出来ないほどに産業が衰退してしまっています。


 大きな戦争も無く、消耗戦となるような事態が無ければ、買ってくれる相手が不在なのですから、たとえ造れても造っても不良在庫となるだけだから、資本主義経済ならば当然ですよね。


 でも、その資本主義的な考えとは異なる国が存在すると、話が違ってきます。


 そうです共産主義・社会主義なんて言われる国ですね。


 共産主義・社会主義の国の企業は国営企業や国有企業(経営権利は企業側にあるが、国が所有している企業)が多く、民間の企業であってもこれらの企業から分離したものが多くなっていますから、日本やアメリカ等の西側諸国・資本主義諸国とは、企業体制が全く異なるのです。


 例え民間企業であっても計画経済に巻き込まれて、過剰設備・過剰生産、補助金注入が当たり前。


 巨大な不動産投資会社が経営破綻したことは誰でも知っていますが、共産主義・社会主義の国の国中の企業が過剰設備・過剰生産を行っていると言っても過言ではない状況です。


 共産主義・社会主義の国の製鉄所が過剰設備・過剰生産で不良在庫となった鋼材を安価に輸出するため、世界中を混乱させているのは有名な話です。


 最近、共産主義・社会主義の国の繊維産業が大量倒産って話も聞こえてきますが、これも過剰設備・過剰生産が原因です。


 不良在庫の服が物凄い量で、世界中に配るとすると一人10着ほども配れる量が不良在庫になっているとの噂があるほどに、酷い状況みたいです。


 売れない高層住宅等が、未完成の高層住宅等が数億人単位の人口分あるのと全く同じなのですから、あまりにも酷い市場原理の無視具合に、本当に呆れてしまいます。


  売れた高層住宅も殆ど誰も住んでおらず、ゴーストタウン化していますし・・・


 もしもこれが共産主義・社会主義の国の全ての産業で同様の状況、過剰設備・過剰生産となっていれば、そして余った製品を超安価に輸出してくるとすれば、トランプ関税も仕方が無い最終手段なのかと思えてしまいます。

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