ホンダと日産自動車は経営統合せず
ホンダと日産自動車は経営統合をしないこととなりましたが、日本の自動車産業も中々厳しい冬の時代となったみたいですね。
円安の今でも経営が苦しいとなると、魅力のある自動車が造れていないのかって思ってしまいます。
確かに日本国内の販売台数ベスト10を観ると、2025年1月度の乗用車部門では、日産は5位にノート、9位にセレナですが、ホンダはベスト10該当無しで、やっと15位にヴェゼルなのですから悲惨です。
2025年1月度の軽自動車部門では、ホンダが1位にN-BOX、日産が6位にルークスだけと寂しい状態でしたね。
軽自動車は利益率が低いのですから、両社ともに中々辛い厳しい経営状態でしょうね。
いすゞが乗用車の生産から撤退し、スバルやマツダが軽自動車の生産から撤退したように、不採算部門の切り捨ては仕方が無いですし、フルラインナップの全車種生産も諦めるべきでしょう。
だから日産が全く売れない商用バン『AD』を生産終了するのも、仕方がないことなのでしょう。
小さなパイを奪い合っても共倒れになるから、市場規模の大きくない車種や利益率の低い車種は一社独占状態になっても構わないって考えないと、市場占有率が極端に低い『AD』の様な車種は諦めないと、きっとダメなんでしょう。
かつてはアメリカのGM・フォード・クライスラーが、自動車産業のビッグ3として君臨していましたが、今では見る影もありませんから、同じ企業がずっと勝ち続けることは難しいのでしょう。
自動車の国別の生産台数で見ても、今では世界1位は中国、全世界の3分の1は中国製なんですからね。
2位のアメリカ・3位の日本・4位のインド・5位の韓国の生産台数を合計した生産台数よりも中国の方が今は多い、これが現実なのです。
だから生き残りのために色々と検討・模索している訳ですが、企業風土が違うのですから、経営統合は難しい。
更にややこしくしているのが、資本主義的な考えで無い計画経済の中国なのです。
多くの資本主義国家とは全く違う考え理で、国家が産業が成り立っているのですからね。
普通ならば利益が出なければ、アッサリ倒産でお仕舞いなのですが、かつての日本の国鉄と同じように大幅な赤字経営でも国が色々と助けてしまうから倒産しない。
中国の製鉄・鉄道・造船・自動車、全てが世界中をかき回している。
粗鋼なんて今では8割近くが中国製、需要以上に製鉄工場を造ってしまったが生産を止められない、鉄が余るから安く売る、中国内に売るだけでは売れ残るので海外にも安く売る、なのですから他国はたまったものではない・・・
中国の高速鉄道、黒字路線は北京⇔上海くらいで、後は全て赤字路線なのに、黒字になる見込みも全く無いのに、今も新たな路線建設を続けている。
それが出来てしまう国が、世界中をかき回しているのですから、日本の自動車産業もそのあおりをもろに受けた訳です。
日本国内では中国製の自動車が全く売れないので、一般の方々は気が付かない。
だって日本国内を走っている自動車は、約9割が日本製ですから・・・
数十年前に白物家電や半導体、日本の家電メーカーは衰退してしまいました。
今度は自動車の番なのかも知れません。
トヨタはダイハツを完全子会社化し、マツダ・スバル・スズキと資本提携していますが、日産と三菱、ホンダは考え方の違いから上手く纏まることが出来なかった。
かつて日産はルノー、三菱はクライスラーの傘下だったのですから、単独で独自路線を歩んできたホンダとの経営統合は、やはり難しいのでしょう。
トヨタ等のような緩やかな資本提携の話にしなかったのはナゼって思いましたが、素人の私には判るすべもありません。
世界中の自動車メーカーが安価な中国製自動車の台頭で、経営困難となっているとの噂も聞きますので、今年は世界中で自動車メーカーの経営統合、場合によっては倒産って話が出て来るのかも知れません。
ただ言えるのは、真面にリサイクルも出来ない今の電気自動車では、環境に全く優しくないってことです。
カーボンニュートラルな合成燃料イーフューエルが安価に作れるようになるのが、自動車にとっての理想だと思ってしまうのは私だけでしょうか。