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2話 逃げます逃げます鬼ごっこ?

 とりあえず四分弱、逃げ回っていくつかわかった事がある。一つ、あいつらを撒くのは難しいという事。二つ、何故か追いついて来ないという事。


 何度でも言うが、運動神経が良いと言っても現竜と一般人で比べたら虎と猫。だというのに追いつかれないのは、先程から謎に身体能力が上がっているのが原因だろう。


 走って曲がった先にはフェンス。一見行き止まりに見えるが――


「そこ壁キックでどうにかして!」


「えいさ!」


 ――と言い、少女?を肩車しているにも関わらず地面を強く蹴り飛ぶ。飛んだ先、今度はビルの壁を片足で蹴り上げフェンスを乗り越える。


 このように、謎に高まった判断力と身体能力で逃げている。あと連携、マジで意味が分からんよ。血でも繋がってんのか?


 三つ目にして最後、わかったのは現竜達の能力で氷使い。そしてもう一人はゴリラ、つまり怪力だ。


 俺が飛び越えたフェンスを片方が謎に凍らし、怪力のほうがまた謎に加速する。瞬間、凍らされたフェンスはしなやかさを失い氷と共にやすやすと砕け散る。


「やっば……」


 破片が届かないよう祈りつつ少し距離を空け、破片を避ける。危ないなと落ち着いて後ろを確認すると。


「うぉらっ!!」


 力強く野球ボールを投げたかのような声と共に振りかぶったのが遠目に見える。嫌な予感と一緒に頭上が影で覆われ――


「左!」


 ――何か理解するよりも早くその場を退くと、自分の右に落下してくるのは室外機。勢い強く地面に打ち付けられた室外機は、四角いにも関わらず勢いのあまりボールの様に転がり自分達を抜かしていった。


「――――助かった……」


「う、ん……」


 ……やっぱゴリラじゃねーか!あの一瞬で室外機もぎ取って投擲する奴は現竜(バケモノ)以前にゴリラ(バケモノ)。人間にそんな馬鹿げた投擲能力なんて物は備わっておりませーん!!


 愚痴が溢れ出すのを寸でのところで抑え、連中が起こす次の奇行に不安を抱えていると。


「っ……――!」


 まだ距離はある、それにも関わらず背後から少し、冷気を感じる。同じくそれに気づいた少女からまた、指示が飛ぶ。


「早めにジャンプで着地は室外機上!その後前の看板を後ろに投げる!」


「死ぬ気でがんばんます!!」


 言われた通りジャンプすると先程までいた地面の表面が氷に覆われていく。室外機の上に跳び乗ったあと大きめにもう一歩踏み出し、看板に手を伸ばす。

 勢い良く後ろに突き飛ばされた看板は少し宙を舞うと、後ろから飛んできた氷柱を受け止め撃ち落されると、閉じた缶が撃ったれ裂けるかのような音を響かせた。


 あの氷もなかなかずるいってかえげつないだろ、こっちは反撃手段無いってのに。あったとしてもやれるかな〜〜?


「そこ右!」


「イェッサー!」


 少女の言葉に従うも、肝心の目的地は教えてくれない。その疑問も含め色々聞こうかと少し上を見ると、おでこに手を置かれ顔に覗き込んで来たと思えば一言。


「手札増やしたい!お兄さんの能力は?!」


「しらない!わからない!調査中!」


 早押し問題とメッセージにはすぐ返せと親の教え通り、素早く返す。自分の能力なんて今ようやくそれっぽいのが出たばっかりで知るはずなしの嘘つく理由もなし。


「自分の身体能力がアスリート以上になってる理由もマジでミリも分かんない!」


「ファ◯ク!」


「ワッツ!?いでっ」


 言葉を返すと何度目かわからないはたきを貰い、前をむかされる。うしろからちょくちょく飛んでくる氷の固まりの事を考えると、この様なコントをしてられる程余裕は無い……いや嘘、投擲は連携のおかげで慣れてきた。

 ともかく!会話の内容自体は超重要。敵優勢の状況を変えようとしているのが少女の声色どころか行動で示されてる以上、従うほかない。


「仮説立てるとしたら、なんだろう」


「怪力ゴリラが居るからかな?」


「誰がじゃボゲぇ゙!!!」


「ひぇっ」


 ゴリラと言う言葉に敏感なのか、後ろの大男が啖呵を切ってくる。少女は一切気にも止めず言葉を続ける。


「それはおかしくない?能力者に囲まれていると言っても過言じゃない街だよ?」


「もうなんもわからないよ〜!」


 わけがわからない状態とわからない能力の発揮。ただ、体力を温存せねば逃げ切るのも困難だろうとふんだこっちと違い、俺の身体能力が上がってるにしろむこうが少しずつでしか追いついてこない理由が見えない。


 マジで気味が悪いったらありゃしない、何処かに罠でも仕掛けているのか?


「とりあえずもうちょいで目的地だから!」


「もうひと頑張りね。りょぉうかぁい!」


 この状況を打開してくれるであろうという期待とどうするんだという疑念が交じる。色々考えていたら秒それっぽいのが見えてきた。


「あそ――」


「あそこ!」


 答え合わせをするための疑問へ食い気味で肯定の返事をした少女の言葉通り、荒事にぴったりな場所が見えてくる。


 長いこと使われることなく放置された為か少し錆び付いて見える倉庫、外の光が天井に空いた隙間から中に漏れてくる。大きく開いたシャッターから中に入ることに一瞬躊躇するも覚悟を決め、中へと走り込む。


「入ってどうするの?!」


「策は一つ、お兄さんの能力が要だよ!」

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