夏に溶ける
暑い夏の日。
アイスクリームもすぐに溶けてしまうような季節に嫌気が差す。
君は暑さにも負けずに部活に勤しんでいる。
私は日陰で君を見守っているだけ。
「ゆうな!暑いね〜」
部活の休憩時間に君は話しかけに来てくれた。
「すず、お疲れ様。スポドリあるよ。」
「ありがと〜、まじで熱中症なりそうだよ。ゆうなも日陰に居るからって油断するなよ?」
日焼けした肌に短い髪。
君から流れる汗はきらきらと輝いている。
眼福だ。
弾けるような笑顔も、頑張っている姿も。
全部大好きだよ。
部活終わりの夕方。
ヒグラシが寂しそうに鳴く。
「疲れた、でもゆうなが居るから頑張れる。」
いつもは見せないような笑顔を見せてくれた。
少し照れた、嬉しそうな顔。
「私もすずが居てくれるから毎日生きれてるよ。」
「おー?嬉しいこと言うじゃん。」
すずは私の肩に腕を乗せ、身体を引き寄せられた。
「大好きだよ。」
そう言い、足は止まった。
誰も居ない畦道。
風に揺れる緑色の稲の音が心地よい。
すずは私の目の前に顔を近付ける。
「目瞑って?」
言われたとおりに目を瞑る。
すると、柔らかい唇がそっと触れた。
キスをしている時間はなぜだかとても長く感じた。
でも、すごく幸せだった。
唇を離し、目を開ける。
すずの顔はこれまでにない程に顔を赤くしている。
「駄菓子屋まで競争な!」
小恥ずかしさを吹き飛ばすかのように君は走り出す。
髪を揺らしながら疾走する姿は美しかった。
駄菓子屋に着き、アイスを買う。
君はチョコのアイスを、私はバニラを買った。
ベンチに座り、包装紙を破る。
冷たいアイスは身体を冷やしてくれる。
「バニラも食べたいなー」
子犬のように目をキラキラさせ、こちらを見てくる。
「ほら、食べなよ。その代わり私もチョコ食べさせてね。」
お互いのアイスを差し出し、一口食べる。
とても甘く、冷たかった。
「間接キスしちゃったねー!」
君はまた顔を赤くする。
照れ屋さんだな、そう思いながら笑った。
「あ、あたりだ。」
「私も!」
二人してアイスが当たった。
アイスが当たるということ自体滅多にないのに、一緒に当たるだなんて。
謎の運命を感じた。
「記念にさ!写真撮ろうよ!」
君はカバンからインスタントカメラを取り出す。
「二枚撮ろ、一生忘れない思い出になるでしょ。」
背景は駄菓子屋。二本の当たり棒を写真に収めた。
当たり棒とアイスを引き換え、帰りながら食べる。
君はバニラを、私はチョコを。さっきとは逆になった。
日はもうすぐ沈む時間帯。
大分涼しくなってきた。
「ゆうな、課題終わった?」
「終わってない、っていうか課題あった?」
「あるじゃん、私もやってないけど。」
勉強嫌いの私たち。
いつもギリギリになってしまう。
一緒に課題を進めていくのも、答えを写すのも案外楽しかったりする。
「すず、アイス溶けてる!」
「わ、ほんとだ。」
薄暗く街灯の無い道。
誰も見ていない。
「ひゃっ、なにするんだよ。」
私は溶けたアイスを舐めた。
ついでに君の手も。
「へへ、美味しいね?」
「っ、」
アイスを大急ぎで食べ、じゃれ合った。
ずっとこの時間が続けばいいのに。
「今日さ、親居ないから一人なんだけど…どう?泊まる?」
君の家に泊まる、誰も居ない家に泊まる。
考えただけで楽しくなってくる。
「行くに決まってるじゃん。」
「だよねー、じゃあ待ってるから色々持ってきてね。」
一旦家に帰り、荷物をまとめる。
勝負下着…一応要るだろうか?
色々考えながら用意をしていく。
お菓子に課題、服に日用品。
親はすずの家に泊まる、と言ったらすぐに行ってらっしゃいと手を振ってきた。
すずとは幼い頃から仲が良かったので、親も安心しきっているらしい。
用意を終え、すずの家に向かう。
すずの家に近付くと、君は玄関から飛び出してきた。
「やっほ、待ってたよ。」
「ずっと待ってたの?遅くなってごめんね。」
「遅かったー、なんてね。思ってたより早く来てくれたよ。」
家に上がり、リビングに通された。
「すずの家って落ち着くね、実家みたいな感じ。」
「ここ実家にしてもいいよ?笑」
笑いながら荷物を出していく。
「ご飯なににする?即席ラーメン?」
「ご飯作る気ないでしょ、っていうか作れないでしょ?!」
「ゆうなだって作れないでしょー、ラーメンで決定ね。」
お湯を沸かして、麺を茹でている間に具材を用意する。
冷凍のコーンにハム。あとは目玉焼き。
「卵焦げた、油敷いてないし。あぁぁぁぁ」
「わー!吹きこぼれてる!」
てんやわんやしながら作る。
即席ラーメンだけでもこんなにやらかすなんて将来大丈夫なのだろうか。
なんとか丼にラーメンを入れ、トッピングまでできた。
「「いただきまーす」」
苦労した分すごく美味しい。
いや、すずと一緒に食べているから美味しいのかもしれない。
「美味しいね!」
「美味しいねー」
一瞬で食べ終わり、食器を洗う。
「洗うのってダルいよね。」
「そうだよね。」
スポンジに中性洗剤を付け、食器を洗っていく。
食器を落としそうで怖かったが、なんとか洗い終えた。
「さー、今からなにする?」
「課題?」
「え?」
完全に忘れていた課題を少し進める。
なにもわからない時は答えを丸写しするに限る。
「答えって最強。」
「課題やってる私たちのほうが最強。」
ポジティブでいないと課題を破り捨ててしまいそうだ。
「これくらい終わればもう十分でしょ。」
答えを写して課題を強制終了させた。
「さー!花火やろ!」
「花火?」
「手持ち花火買ってあるんだー、庭にレッツゴー!」
バケツに水を入れ、マッチを擦りろうそくに火を灯す。
ゆらゆらと揺れるろうそくに見惚れてしまう。
「ほれほれ、花火やるぞー」
花火に火をつけると勢いよく火花が飛び散った。
「これ吹き出し花火だ!楽しい!」
「めっちゃ綺麗だね、夏って感じがする。」
色が変わる花火、勢いの良い吹き出し花火。
打ち上げ花火にも手を出してみる。
小さな筒を地面に置く。
「いっきまーす。」
着火すると小さな花が打ち上がった。
「おー!しょぼいけど綺麗だね。」
「しょぼいは一言余計でしょ。」
満面の笑みを浮かべるすずはとても可愛い。
最後の花火は、やっぱり線香花火だ。
「先に火の玉が落ちたら罰ゲームね。」
ぱちぱちと火花が散る。
夏の風物詩はいいものだ。
「あ、落ちた。」
「よっしゃ、ゆうなの負け。罰ゲームは今日一緒にお風呂に入ってもらいます!」
斜め上の罰ゲームを言われ戸惑う。
でも、それはそれでいいかもしれない。
後片付けをし、リビングに戻った。
すずを背後から襲ってみる。
「一緒にお風呂入ろっか!」
「え?」
「え?入るんでしょ?ほれ、連れて行って。」
「はぇ、」
何故か動揺している君。
いいよいいよ。その顔めっちゃいいよ。
すずは俯きながら私の手を引っ張っていく。
脱衣所に着いた。
さて、服を脱ごう。
「いや、ちょっと待って。心の準備が…」
「なに言ってるの?言い出しっぺはそっちでしょう。」
服を脱ぎ終え、すずの背後に回る。
「一人で脱げるから、ねぇ。」
ごちゃごちゃなにか言っているが私には聞こえない。
服とシャツを脱がせ、風呂の戸を開ける。
「一緒にシャワー浴びようね。」
少し悪い顔をして言ってみた。
「ゆうなのばか。」
シャワーを浴び、頭を洗っていく。
「洗ってあげよう!」
すずの髪をシャワーで予洗いし、シャンプーを手になじませる。
地肌を洗うようにして泡立てていく。
「洗うの上手だね。意外。」
「だから一言余計。」
「身体も洗ってあげようか?」
「はぁ?」
満更でもない顔をしている。
ということは洗っていいということだろう。
石鹸を泡立て、すずの身体に触れる。
すべすべしていて気持ちいい。
「んっ、そこダメ。自分で洗うから。」
「私の前だけは砕けちゃいな。」
すずは床に座り込んでしまった。
構わずに洗い続ける。
「息上がってるね。そんなに感じちゃうのかわいい。」
「いじわる!」
自分の身体も洗い終え、脱衣所に出る。
「このタオルふかふかだね。布団みたい。」
「あー、うん。分かったから。」
すずの機嫌が悪い。
これはなんとかしないと。
「頭乾かしたら続きやろうね。」
「ドライヤーやってよね。」
コンセントにドライヤーのプラグを挿し、すずの髪を乾かす。
綺麗な黒髪でさらさらで。ずっと触っていたい。
「私もゆうなの髪乾かしてあげる。優しいから。」
やっぱり一言余計なすずだが、丁寧に髪を乾かしてくれた。
嬉しい。
「お風呂後のアイス食べるよね?」
「食べる。」
シェアするために生まれたであろうアイスを分裂させる。
「美味しいね。」
「それな。」
冷たいアイスが身体に流れていく。
夏の虫が鳴く中、アイスを吸う。
この夏は最強に尊いものとなる。
歯を磨き、いつでも寝れる状態になった。
女子高生がこのまま寝るはずもない。
パーティナイトを開催する。
私が持ってきたカップ麺とポテトチップス。
すずの家にあったクッキーとジュース。
机に全部広げ、テレビを点ける。
「至福。美味しい、面白い。最強。」
「美味〜」
気がつくとテレビは砂嵐が流れ、机はゴミが散乱していた。
「すず、起きて。布団で寝なきゃ。」
「うーん…続きやらないのぉ?」
すずからのお誘い、と受け取っていいのだろうか。
なんとかすずの身体を起こし、布団まで連れて行ってもらう。
電気は豆電球にし、すずのパジャマのボタンを外していく。
「…まって、恥ずかしい。」
「一緒にお風呂入ったよね。」
羞恥心なんて捨ててしまえの精神で、パジャマを剥ぎ取りズボンも脱がせた。
すべすべでさらさらしている肌は、日焼けして真っ黒な場所と真っ白な場所に分かれている。
まるでパンダのようだ。
そんなことを言えば君は怒り狂うだろう。
唇を重ね、舌を絡み合わせる。
吐息が熱い。
キスをしたまま胸を揉む。
君の胸は案外でかい。
「んぅ、」
「ここ気持ちいいんだ?」
乳首をこねくり回す。
君の身体はどんどん熱くなっていく。
お腹を舐めて、おへそをいじる。
「あぁ、だめ。だめぇ」
溶けてしまいそうな声を出す君。
容赦なく旨をもみながら舐め回していく。
試しに乳首を吸ってみると、喘いでしまうほど気持ちいいらしかった。
興奮している姿まで愛おしい。
「まだ下いかないの、?」
「やってほしいならちゃんとお願いしなきゃ。」
「おねがい、」
君のアソコを触る。
「めっちゃ濡れてる。そんなに感じちゃうんだ。」
「だって!」
アソコを吸うと、頭を鷲掴みにされてしまった。
力が強すぎて痛いが、お構いなし。
音を立てて吸う。部屋中に響き渡る音が楽しさを倍増させる。
口づけしながらクリをいじる。
舌を絡ませながらいじるのはなかなかに楽しい。
「ナカ入れちゃお。」
「ふぇ、」
トロトロになった膣に指を挿れる。
一本、二本。三本。余裕で入ってしまった。
熱い膣は指を締め付ける。
あぁ、なんでこんなに可愛いんだろう。
「私もゆうなのこと気持ちよくする、」
そう言って私は押し倒された。
「私のことイジりながらトロトロになっちゃったんだ?」
狂乱しながら熱い夜を過ごす。
暑い夏は熱い夏へ。
これからも夏に溶けようね。
純愛を書きたかっただけなんです。