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3つの蔦~彩花とヒナの数日間~  作者: こんぎつね
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雀の子

雀の子


それは5月の中旬を過ぎた頃。


「う~っ、だるい・・・」


華金(はなきん)の夜に友達の家で缶チューハイと梅酒を少々。


いや・・・この世界の理不尽に乾杯!ということで調子に乗って、いつもよりはちょっぴり多かったかな?梅酒ロック・・・


もともとお酒を飲まないわたしはそれだけで命とり!

翌日の絶不調は決定事項なのです。


しかし・・・

いつもの早起きは鉄の習慣となり、どんなに酔っぱらっても朝の5:30には必ず起きてしまう。


『おばあちゃん、『早起きは3文の徳』だよね。彩花(あやか)はちゃんと守ってるよ。』


ついこの間まで『3文の()』と勘違いしながらも、早起きを心掛けていた。


***

**


まずは歯を磨く、そしてトイレ掃除から始めるのが休日のルーティン。


それが終わるとシャワーで気分転換。

髪を整えて(面倒なので帽子被ること多し)、コンビニにお買い物。


バタースコッチ&牛乳という わたしの朝食を買いに行くのだ。


『でも、今日は久しぶりにコーンフレーク食べようかな。』


アパートを出て階段をコトコト降りる。


空は良い天気になりそうな気配。


梅の木の曲がり角に差し掛かると昨日ダウンロードした曲が流れ始める。


やっぱりこの曲いいな・・・


『おっ!!?』


足元に・・雛鳥の死骸?・・・でも動いてる。


その子の周りには5匹ほど蟻が群がり始めていた。


『おいで。』


わたしは両手でその雀の雛鳥を掬い、足早にアパートへ引き返した。


『えっと・・まずはこの子の居場所をつくらなきゃ。』


用意したもの

・キッチンボール

・キッチンペーパー

×小麦粉

×卵


『これ、完全に調理準備だねぇ・・・』


そして、使い捨てカイロ!


***

わたしは前にも落ちていた雛鳥を拾って部屋に持ち帰った事があった。

初めての事だった。

普通にハンドタオルの上に置いたまま目を離していたら、体が冷え切って死んでしまった。

***


だから使い捨てカイロが必要なのだ。


確か・・・冬にお出かけしたバッグの中に・・・あった2枚!


カイロでホカホカになったキッチンペーパーの上、くってりしている雀の子。

くちばしは小さくて、黄色いパッキンみたいなのが可愛い。

体毛の模様はもう雀らしくなり始めているけど、首のあたりはまだ地肌が見えている。


そして羽につながる肩に傷があり少し血がにじんでいた。


さて、次にわたしがするべきことは何なのかな?


わたしはPCのスイッチを入れて『雀のひな』で検索をしてみた。

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