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《書籍化決定》転生王女は王国の愛され救世主  作者: 渡鳥紫苑
定番になりつつある異世界転生
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19話 怒らせちゃいました。

いつもは色んなグループとご飯を一緒にする様にしているのですが…。


本日は限られた人しかお昼ご飯を食べない様です…。


他の食べられそうな方々にもご一緒するか聞きましたがみなさん遠慮してしまいました。


なので今日は、珍しいメンバーでご飯を食べます。


「カイルお兄様とお昼ご飯を学食で食べるなんて初めてですね。」


「そうだね。僕らは一緒になる事、普段はないからね。」


「お二人が並んでいるとまるで太陽神の兄妹の様ですね!とっても神々しいです!」


「キャロルの例えは大袈裟ね。みんな授業はどうだった?」


「人間の身体というのはあの様になっているのだな。とても勉強になった。」


サルーン様がカレーを食べながら真剣な顔で頷きます。


「俺も切断されたのは見た事あったけど、身体の中ってあんな風になっているんだな。」


「ジャン…。でも、本当凄い勉強になりました。やはり、本だけの知識では分からない事がありますね。」


「ジャンっていつも一言多いですよね。」


「そーなの!ジャンって1番年上なのに1番年下みたい。」


ラインハルト様とテトが冷たい目でジャンを見ます。


私もテトに完全に同意します。


「1番年下のお嬢にそんな風に言われるなんてジャンて〝残念〟ってやつなんだな?」


「〝残念〟って何だ?レイチェル様にたまに言われるが、意味がよく分からないんだが…」


「……俺もそういえば、昔言われた事がある。どういう意味か聞いたが教えて貰えなかった。」


「レイチェル様たまに言いますよね?残念~みたいな。」


アンナが可愛い顔で首を傾ける。


おっと、こちらに矛先がきたぞ。


そーいえば、昔サルーン様にも残念美少年って言った事あったな。


「えっと…、私が作った俗語で…意味を聞かれると困るので…聞かなかった事にしてください。」


ジャンがしゅんとしてしまいました。


「〝残念〟って良い意味じゃないだろう?」


ジャン…、本当1番年上だし見た目もワイルドイケメンで体格も良いのに本当子犬の様に見えて弟と思えてしまう不思議はいったい何なんだろう…。


私の中の7不思議の1つかもしれない。


「ジャン!そんなに気にしないで!最近はそんな風に思ってないわ!可愛い子犬だと思ってるから!」


「何で子犬なんだよ!どっちかって言うと大型犬だろ!」


お兄様とキャロルとアンナは私の子犬発言に同意して頷いてくれている。


「確かにレイチェルの言う事が良く分かる。僕もたまに弟だと思ってしまうからね。」


「カイル様まで…俺の立場がないですよ…」


「カイル様にはご迷惑を沢山かけてますよね。本当すいません。」


「迷惑はかけられていないですよ。ジャンはレイチェルと似ているので見ていて楽しいです。」


ぇえ?!私、ジャンと似ているの?


お兄様の発言にビックリする。


「ぇ?!レイチェル様ってジャン様と似ているんですか?」


サル君驚いてます。

他の人も驚いてます。良かった~。


「皆さんは似ているって思った事ないですか?」


みんな考えてます。


みんなの手が食事から離れてしまいます。


「確かに似ている所もあるかもですね。」


え?待って。ラインハルト様。

似てる所ある?


「待ってください!どの辺が似てるんですか?」


「私が似てると感じるのは思ってる事が顔に出る所でしょうか?」


ぇー。私格好いいポーカーフェイスを目指してるのに。


「確かにそうゆう意味では見ていて似ている所があるかも知れませんね…」


お兄様に加えてキャロルに言われたらもう認めるしかないですね…。


「美味しい食べ物前にした時のお嬢の顔とか笑える位へにょへにょだしな。その時だけ年相応に見えるもんな!」


「レイ様は美味しいご飯に目がないだけですよね。ジャンのそれとは違うと思うのですが…」


「うーん。僕が似てると思ってるのはそこじゃないんだけど…機会があったら教えますね。」


何だそれー。お兄様は何が似てるって思ってるんだーー。


何かジャンは私と似てるって言われてか、弟みたいって言われたからか凄い喜んでる。


ジャンもう18歳なのにそんなに年下ポディションでいいの?


ワイルドイケメンなのに…7歳の美少年に弟言われたり…5歳の女の子に子犬言われてるのに…


ってか、みんな初解剖学終わって普通にご飯食べられてるの凄すぎないか?


どんな精神力してんの?


流石の私も食欲あんまりないのでスコーンと紅茶にしたのに。


キャロルとアンナに大丈夫なのか聞いたら…


「私達は牛とか動物の出産の手伝いなどした事ありますし…勉強として学んだので食欲がなくなるって事はないですね」


っと笑顔で教えてくれた。


みんなで仲良くわいわい話して食事が半分くらい進んだ時、吊り目の美少女がテラス席の外から私に近づいて来た。


「レイチェル様!!!一言宜しいですか?!」


現れたのはヴァネッサ嬢だ。


取り巻きも引き連れて怒りを微塵も隠さず仁王立ちして私の目の前に立った。


近くに座っていたキャロルとアンナも一緒に振り向く。


「先程の授業なんなのですか?!あの授業を全員でやる意味がありますか?」


おっと苦情の様だ。


ヴァネッサ嬢は今までも学校についてちょくちょく苦情を言いに来たけどこんなに怒ってるのは初めてかもしれない。


ちゃんと苦情も真剣に聞きますよ。


改善点はありそうですもんね。


否の意見もちゃんと聞かないと良くならないですからね。


「ヴァネッサ様。貴重な意見ありがとうございます。何故そんなに怒ってらっしゃるんですか?」


「あんな悍ましい行為を淑女に見せる意味がありますか?!」


「はっきり言うと〝ある〟と私は思っています。」


「あるですって?!私が無様に倒れたのもぜんぶ貴方のせいですからね!」


何だか…倒れたのを見られたくない人でも居たのかもしれない。


怒ってるのは恥ずかしかったのもあるのかもしれない。

それは悪かったな。


「あの方に無様に倒れたのを見られたのかと思うと…」


凄い小さい声でしたが聞こえました。


ヴァネッサ嬢…それは恥ずかしかったよね…でも男女別にする必要を感じないしな…。


複雑な乙女心には申し訳ないが…。


「お父様が仰っていた様に選択の授業にやっぱりするべきですよ!あんなの見たくない人に見せるなんて拷問と一緒ですわ!!」


うーん。確かにトラウマになったら悲しいよね。


「確かに何年後かは選択の授業でも良いとは思ってますが今の現状では全員に受けて貰うのが1番効率的に良いと思っているんですよ。でも拷問だとまで感じる方がいるならその辺もやっぱり考えないといけませんかね…」


「そうでしょう?!」


「ちなみにあの授業を受ける意味をヴァネッサ様は分かっていますか?」


「医療技術の向上の為でしょう?だからこそ全員でやる意味がないとお父様も仰っていたじゃない!」


「今年の入学式で理事長が話していた事はお聞きにならなかったですか?」


「……長い理事長の話なんか覚えていませんわ。」


「全体の医療技術向上もそうですが医療従事者じゃない人でも誰か身近な人が倒れた時、その知識があるのとないのでは大きく変わってくる。それは全員の為になるはずだっと。確かに解剖学はショックを受ける方もいると思います。でもその知識が0の今の現状でヴァネッサ様はその大切な最初の1になるという事は意味があるはずだと思います。それを学べる場所にいるなら今は全ての人がその最初の1になるべきだと思っていました。拷問まで感じる方がいるなら希望者は他の授業を受けられる様に来週からはカリキュラムを考えてみますね。帰ったらすぐお父様にお話しします。」


「そうしてください!私はもう絶対あの授業を受けたくありません!!」


「お兄様も良い意見ありますか?」


「うーん。レイチェルが言った様に希望者には違う授業を受けて貰うのが1番良い解決法かな?」


ヴァネッサ嬢は隣にお兄様が座ってる事に驚いている。


まぁ確かに私がお兄様と一緒にお昼してる事なんてなかったですからね。


外からはテラスの中に誰が座っているのか手前の私、キャロル、アンナ位しか見えていなかったのだろう。


ヴァネッサ嬢は怒りもあって私しか見えていなかったらしい。


ヴァネッサ嬢の目線が隣のお兄様から奥に座るアーサー、テト、ラインハルト様、ジャン、サル君、サルーン様にいった時…


顔がさっきより真っ赤になった。


「サ、サルーン様もご一緒していたのですか?」


おっと、ヴァネッサ嬢はサルーン様が気になってる様だ。


同じ名前のサル君ではない様です。

目がサルーン様で止まっている。


ジャンを見た時も顔を少し赤くしていたからワイルド系がお好みらしい。


サルーン様、色黒に黒髪で色気あるしねー。ジャンも見た目だけなら赤毛のワイルド系だしねー。


アーサーも同じ系統だと思うんだけどな。

後は、サル君とテトとラインハルト様とお兄様が同じ系列だと思う。


サルーン様はヴァネッサ嬢の剣幕に黙っていたが名前を呼ばれて答える。


「ヴァネッサ嬢やみなと一緒にせっかく同じ授業を受けられる貴重な機会なのにもうご一緒出来ないのは残念だな。」


少し困った苦笑いでサルーン様が言うとヴァネッサ嬢は顔をもっと真っ赤にして小さな声で何か言っている。


うん?なんて言ってるのか聞こえない。


耳を近づける。


するとヴァネッサ嬢は私の腕を掴むと外に引っ張りだした。


「今言った事は取り消します。全員で一緒の授業受けます。」


えー。恋する乙女ってこんな簡単に意見変えちゃうんですか?さっきまでの真剣なお話は? 


まぁサルーン様の一言でやる気になってくれるなら良い事なのか…良い事なのか?


「え?もう大丈夫なんですか?」


「先程の事は聞かなかった事にしてください。」


そう一言言うと、そさくさとヴァネッサ嬢とその取り巻きは去って行った。

何という嵐…。


席に戻るとみんなサルーン様を見ていた。


「さっき言った事は取り消して一緒の授業を受けるそうです。」


気まずくなったのかサルーン様が咳払いをして話し出す。


「ああ言うしかないだろう?」


サル君も苦笑いだ。


うーむ。ジャンやアーサーが言い寄られてるのは外でもよく見るが年齢的にテトとお兄様と私はまだ無いにしても後のメンバーは絶賛適齢期だ。


そー言えば恋話とかキャロルやアンナにも聞いた事無かったな。


「サルーン様って好きな人とか居るんですか?」


私の発言に全員が食べてた食べ物を口から発射しそうになっていた。


みんな普段行儀凄い良いのにどうした?!確かに今までこんな話した事無かったけども!


サルーン様が1番焦っている様だ。


お兄様も肩をプルプルして笑っている。珍しい。


「お嬢いきなりどーしたんですか?そんな事今まで聞いた事ないじゃないですか?」


「うん。何か私やテトやお兄様はまだまだ適齢期じゃ無いけど他のみんなは適齢期だし好きな人とかいるのかな?って疑問に思って。」


「キャロルはいる?」


目の前のキャロルを見ると顔を赤くしてチラッとラインハルト様を盗み見た。


ぉおーー。なんて事だっと愕然とする。こんな所にロマンスがあったなんて。


サルーン様じゃなくてラインハルト様にすべき質問だったのか…。

興奮気味に次はアンナを見るとチラッとサル君を盗み見た。


ぇえー。2人にそんな事聞いた事無かったけど、こんな近くにそんな事があったなんてなんて事だ。

私は2人の手を掴むと無言で力強く頷いた。


うんうん。心から応援する。なんて言ったって恋愛結婚応援隊だ。


それに身分は恋愛に関係ないと私は思っていてもやっぱり世間にはある。

ラインハルト様もサル君もキャロルとアンナとお互い結婚出来る身分だ。


他国でも私絶対後押しする。


男性陣は訳がわからない様だか私の隣に座っていたお兄様だけは分かった様だ。流石だ。


私は席に座り直すと問題に挑む事にした。


「でぇ、サルーン様やサル君、ラインハルト様は好きな人居ますか?」


「さっきより聞く人増えているし、なんで俺には聞かないんですか?」


「ジャンは適当に遊んでるの知ってるし、興味ない。」


アーサーが笑ってる。嫌、君も適度に遊んでるよね?


「笑ってるアーサーも遊んでるの知ってるからね?」


お腹を押さえて笑っていたアーサーはキョトンとした顔をした後、


「俺はお嬢の事凄く愛しちゃってるから他の人で適当に気を紛らわせてるだけだよ?」


いやそれ、最低な発言に聞こえるのは私だけ?


全員ビックリ顔でアーサー見てるけど、これは冗談で言ってる時のアーサーの顔だからからかっているだけだろう。


テトも呆れた顔をしてアーサーを見ている。アーサー、弟に呆れられちゃってるよ。


サル君が助け舟を出す様に、苦笑いを浮かべなら答えてくれた。


「私は、好きな女性って居ないですね。」


「サル君の好ましいと思う女性ってどんな人ですか?」


凄いぐいぐい聞いてしまう。


「話が合う方…とかですかね?話が噛み合わない方とかいるじゃないですか…そーゆー方は苦手ですね」


「なら、キャロルやアンナは好みのタイプって事ですか?」


「そんな!私なんかが恐れ多いですよ!お2人はとっても素敵な女性だと思います。自分には高嶺の花ですよ。」


ちょっと頬を赤くして手を左右に振るサル君とっても可愛らしい。


アンナの顔の赤さが尋常じゃない。


「じゃぁラインハルト様は?」


「私は…そーゆー感情を恥ずかしながらこの歳でまだ分からないんですよね。」


困った様に笑った。


何だか遊んでる青年チーム以外はみんな恋愛に奥手みたいだ。


なるほど…最後にサルーン様に聞き直す。


「でぇ、サルーン様は?」


「いるが誰かは言いたくない。」


何?!サルーン様は意外に好きな人が居るんだ。


「この話はこれ位にしましょう!」


サル君が珍しく話に割って入る。


「そーそー!お嬢もみんなの好きな人聞いて気が済んだでしょう?」


アーサーもサル君に同意して話を終わらせようと必死になっている。

これはサル君とアーサーはサルーン様の好きな相手が誰か知っている感じだ。

何だかのけ者の様で寂しい。


「みんなは知ってるんですか?なら私にも教えてくれても良くないですか?」


頬を膨らませる。


するとサルーン様がバンっと机を叩いて立ち上がった。

大きな音にビックリしてしまった。


怒った?顔でサルーン様は席を立ってしまった。あれ?私何かやらかした?


サル君が私達に一言謝ってサルーン様を追っていく。


他の人達はみんな苦笑いです。


「レイチェル様って凄い人の気持ちとか分かる人なのに恋愛面は壊滅的なんですね…」


「お嬢はそこだけはいつも空気読めないんだよな~」


「レイチェルが今のは悪いと思うなー。」


「レイチェル様も〝残念〟ってやつなんじゃないですか?」


「レイ様が悪い訳ではないけど…今のはちょっと…。」


おーい。みんな私を責めてくるよー。

キャロル、アーサー、お兄様、ジャン、テトまで…


確かに無神経だったよね。


アンナもラインハルト様も苦笑いしてる。


私、サルーン様を怒らせてしまった様です…。




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