17話 医術広める事にしちゃいました。
沢山の事件を乗り越えて私は5歳になりました。
あともう少しで学校が出来て1年になります。
早いですね…。
ミスト共和国はあれから経済生産が昔に戻る位勢いがありますし、アーリア連合国のサハラ、メールは稲の一大生産地になり奇跡の復活ともっぽらの噂です。
シエロ王国もブランド牛、ブランド豚が大陸中で大人気です。
我が国の農作物もきのこから果実から豊富な種類になりましたし、お肉などシエロ王国からの輸入もありますし我が国も、とってもとっても美味しくなりました。
いやー、ご飯が美味しいとやっぱり幸せですね。
そして、我が国での学校運営は軌道に乗っていると言って良いと思います。
最初はみんな学校という仕組みが分かって無かったのですが、今はみんな理解し、慣れたと思います。
そこで次は海鮮物っと行きたい所なんですがその前に私がこの世界で気になっていた事がもう1つあります。
それは魔法。魔法がある世界なのに、魔法が全然発展していません。
力を持ってる人は少ないと言っても居るのに大体火と水などが主です。
それは何故か。
そうイメージっとずっと言ってましたが…みんな、目で見てないとなかなか具体的にイメージ出来ないと言う事です。
稀に奴隷印の様に相手を思い通りにしたい人で魔法契約書イメージを応用したのもありますがこちらの人は目で見た事がある、火とか水しか主に使ってません。
勿体無い。私だけ現代知識で色んな魔法使えまくり。
みんな見ればある程度イメージ出来ます。それを広めていこうと思います。
特に治療魔法。
こちらもお医者さんとか薬師さんとか言われている方がいますが前世の昔のヨーロッパの医療と一緒の様な感じで瀉血などをしている感じです。
まだ発展してなくて、迷信なども信じてる感じです。
私の前世日本では、薬もそうですがなんと言っても医療行為が凄い発達してましたよね。
男性の平均寿命は約81歳、女性は 約87歳。世界的にも高水準ですよね。
しかし、中世ヨーロッパとこちらの世界は同じ位で場所にもよりますが平均寿命約30歳位。
平民と富裕層でも変わってきますが…日本に居た時よりも死んでしまう事がとても身近です。
20歳まで子供が生き残る確率は、なんと55パーセント。
医療や公衆衛生が未発達でなので寿命は現代に比べて驚くほど短いです。
また、避妊の手段がなかった為に、前世に比べて驚くほどの多産です。
そのため、この世界に生きる人達にとっては「生と死」は常に身近な存在です。
出生に関しての記録によると、女性は一般的に平均で5~6人の赤ちゃんを出産しています。
出産に危険はつきもので出産の際に亡くなることも珍しい事ではありません。
戦争などで死ぬよりも出産で死ぬほうが圧倒的に数が多い時代です。
女性は14歳を過ぎると出産が可能となります。
この世界では15歳になったら成人と認められて結婚するのが普通です。
そして生涯の半分近くの期間を妊娠して過ごしました……。
この世界で治療魔法を使える人が増えれば、絶望で泣く人が減るはずです。
初年度は授業運用、経営が大変で繊細な問題がある魔法の授業は入れられませんでした。
そう。力を持ってる人、持ってない人の差です。
でも治療なら魔法の力がなくても知識があったら絶対プラスになる筈。
なので、まずは医術としてみんなに普及していく事にしました。
その導入に私がしたい事をお願いしたら初年度は駄目だと断られました…。
しかし、みんなの仕事カリキュラムや学校の評判が上がった為、協力を得られる事が出来ました。
私がやりたかった事は、遺体による解剖学です。
私は前世で小学生の時に人体模型を理科室で見たり、テレビでも医学ドラマ目にする事はあるし、レントゲンを撮ると骨がこんな風にあるっと完璧ではなくても大体の人体についてイメージがあります。
でもこちらの人は全くない。
一度でも体の器官を目で見れば全く違うはず。
この世界でも何処かに解剖学をした人がいたのかもしれませんが、この世界だと遺体は埋葬する物で遺体を切って開くなんて悪魔の所業です。
でも、学校として勉強したいっと言い続けていたら遺体の提供を願い出てくれる人が何人か出てきました。
これも全部学校の信用を一年かけて培ったおかげですね。
日本の大学病院みたいに勉強する所に患者さんが来てくれて、研修と研究を一緒に出来る場所にしたいです。
今年から医術は必須授業にしました。
画期的なこの授業の為に一年しか通えないっと騒いでいたサルーン様はもう一年通っていいと言われたそうです。
サハラなどの問題が解決したのでお父様達も余裕があったのかもしれません…
サルーン様あれから凄い変わって別人の様です。お兄様とも仲良しですし…
サル君は相変わらず変な所で笑う子です。
最近はアーサーとテトまで一緒に笑うのでこの3人は同じ笑いのツボを持っているのかもです…。
テトも忘れていた昔の記憶を少しずつ戻ってきて、一安心。
ラインハルト様は特待生に受かり、ジャンも来年度から学校に通う事になりました。
2人共、辛い事を乗り越えて前を向いて力強く歩いています。
ニコールさんと罰を償ったジャンも今はラインハルト様の侍従と侍女として貴賓宮で3人で仲良く暮らしています。
大体の人がもう一年学校に通う事になりました。
そして、初年度より来てくれる国の数が増えました。という事でまた事件が起こるんだろーなーっと嫌な予感がしています。
さぁ、授業が始まります。