駒千と一千のウェディングプラン中編
伊吹が何を考えているのか、一千にはまるで読めない
喫茶店では結局一千と伊吹は珈琲を、駒千はミルクティーを飲んだ
変わりにテイクアウトできるとゆう手作りケーキを4つ買い、そのまま場所を伊吹の自宅に移すことになった
喫茶店の近くだというのは本当ですぐ近くの高層マンションが2人の愛の巣とゆうわけだ
「立派なマンションですね、なんだか懐かしいです」
「あぁ、駒千は元々マンションに住んでいたのか」
「まぁ社宅ですけどね。こんなに立派ではなかったですし」
駒千は幼少期はマンション住まいだった
父の仕事が転勤族だったため、いつでも引っ越しできるように部屋はシンプルで家具も少なかった
「紹介するよ、妻の日和だ。日和、こちらは友人の山崎の弟子の駒千ちゃんに、陰陽師の名家の芦屋 一千君」
「こんにちは。貴方達が、余興を引き受けてくれるのよね、本当にありがとう」
日和さんは、線が細く儚げな美人だった
涙袋に黒子があり、それがまたなんとも色っぽい
招かれた部屋は、温かみのあるインテリアや小物で彩られた心地のいい部屋だ
ただ一点、そこかしろに立ちこめる妖気をのぞけば。
それはもちろん一千も感じたようで駒千をみてわずかに頷き、一千が口を開く
「日和さんは、妖…なんですね…」
ビクンっと分かりやすく日和が青ざめる
伊吹はすぐに
「あぁ、やっぱりすぐにバレてしまっか。説明するから座ってー…、日和は奥で休んでいなさい。霊力にあてられてしまうだろうから」
日和は真っ青になりながら不安げに頷き奥の寝室らしき部屋に消えた
「日和さん、人の形を保てるほどの高位な妖なんですね」
一千は芦屋家の当主ではないが、即戦力の数少ない陰陽師だ
霊力劣えの前途をたどる陰陽師界の未来は決して明るくはない
一千や森羅ほど霊力の強くない陰陽師の伊吹だからこそ、もっとふさわしい女性がいたはずだ
陰陽師ではないにしろ、霊力のある名家の令嬢などど本来は婚姻を結ぶのが一般的だ
「日和は、*半妖なんだ。妖と人が恋に落ちて生まれた。母親は九尾の狐だからその血を色濃く引いている」
伊吹は深くため息をついた
*半妖とは人と妖の間に産まれた子をさす
半妖はのちに、人として暮らすか、妖として生きるかその選択を迫られる
その選択はとても過酷でー…
「この事、隠し通すつもりですか。きっと会は納得しない…」
一千は冷静に問う
「隠し通してみせるさ。披露宴さえ無事に済ませられたら俺たちはここを離れる…危険は承知なんだが、神の前できちんと誓いたいんだ…そうすれば日和も俺もこれから先一生生きて行ける気がする…それに」
伊吹は恥ずかしそうに頭をかく
「日和のウェディングドレス姿、俺も見たいからね」
帰り道
一千も駒千も無言だった
「この事…、会合でバラしたら許さないですから」
駒千は当然伊吹の味方だった
「この件、俺たちは手を引くべきだと思う」
「でも…」
「俺たちが加担していたとなると、伊吹夫婦が蒸発した後始末だけじゃない。後々俺も駒千も会合に呼び出される。ましてや駒千はまだお披露目前だ。お披露目前に会合に呼び出され、仕置きをされてはこの先ケチがつく」
お披露目、とゆうのは一人前の術師として認められた時に会合の初の出席の日を差す
会合には陰陽師、陰陽師から枝分かれした祈祷師、結界師らが集う
現在会合には式神遣いはいなく、式神を使役できるのは陰陽師のみに限られているらしい
「伊吹さんは、私たちだから事情を話してくれました。このお役目を私は降りません、結末がどうなっても終いまでやりとげます」
駒千の意思は固かった
「一千さんは降りてください。芦屋家にまで迷惑はかけられません」
こんな時歯がゆく思うのはいつもご立派な家柄が邪魔になる
「駒千、よく考えろ。駒千はもう芦屋の人間として見られてる」
「婚約が解消されたらそれまでです。千終さんなら信じてくれます、勿論おば様も」
俺だって承認になるー…
その言葉をかろうじて飲み込んだ
駒千の思ひ人は一千ではないのだから。
後日駒千は策を練り、その旨を伊吹夫妻に式神で伝えた
その策は伊吹夫妻の度肝を抜くものだったらしい
それでも、伊吹夫妻は承諾してくれたばかりか日和婦人は涙を流して感謝したとゆう




