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お遣い屋 駒千の備忘録帳  作者: 世渡り
14/17

満月の夜に

中秋の名月が訪れた


京都から帰還した駒千はぼんやりとしており物思いにふけることが多くなったと(だん)からの証言を一千は受けた


中秋の名月は毎年森羅の式神(シキ)と駒千がその日限りの式神を出して盛大に餅つきをする


今年は森羅不在のため、駒千が指揮をとってやっているらしい


仕事終わりに山崎亭を訪れるとそれは派手にどんちゃん騒ぎをやっていた


その中には伊吹夫妻の姿と遠野の河童たちも大勢おり、河童たちは遠野の仲間たちを引き連れてやってきたらしく、様々な妖怪たちが、山の作物を差し入れにもってきたらしく、縁側にはところ狭しと、果物や作物が並んでいる


山崎夫妻の日和(ひより)は、駒千を手伝って台所で一抱えもある鍋で差し入れの野菜や餅を煮込んだ汁物を煮込んで振る舞っている


河童たちは庭で焚き火をして焼き芋や川魚をあぶっている


座敷わらしもきており、小豆が好物な彼女は丹が丹精こめてつくったあんこをほおばっている


「伊吹さん、お久しぶりです」


河童たちと酒盛りをしている伊吹はほんのり顔が赤い


「やぁ!一千君。お邪魔してるよ。今宵は駒千ちゃんに呼ばれてね」


「イッセン、オマエモ、ノムカ?」


伊吹がログハウスで浸けた果実酒を河童の佐助(さすけ)が気に入ったようで、同じ山暮らし同士話があうようだ


羽黒は同じカラス天狗の仲間たちと酒盛りしており、妖と人間たちが愉しく宴会を開いている


これは駒千の理想郷なのだろう


「不思議だねぇ。俺はずっと妖怪祓いが苦手だったんだ。半妖の日和と夫婦(めおと)になり、式神遣いの女の子に駆け落ちを手伝ってもらい、こうして妖たちと宴会できるなんて」


伊吹はしみじみと嬉しそうにぼやいた


山崎が張った結界のおかげで焚き火の煙も妖怪と人間の笑い声も外からは聞こえない




一千は縁側に腰掛け、名月に向かって乾杯した








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