妖退治 後編
一方、一千は
「キリがないなっ…クソっ」
「オマエ、マタ、ワレワレ、ハライ二キタ」
河童たちの目は錯乱しているようだった
「違う!俺たちはお前たちの保護にきた。しかるべき場所に戻す。お前たちだって本望だろう!」
「シンヨウ、デキナイ」
河童の目は血走っている
中には陰陽師に半端に祓われたものもおり、血があちこちに飛び散っている
これ以上長引けば、河童が闇落ちするだろう
「私たちは、貴方たちを助けた少年たちが依頼されたの!!毎日貴方たちにキュウリや川の水を届けた少年たちよ!」
「駒千…無事か!」
駒千が、羽黒とともに飛んで戻ってきた
「ニンゲンノ、コドモ…オマエタチ、ナカマ」
河童の一匹が動きを止めた
「ワレワレ、ニンゲンニ、ツレテ、コラレタ。ココニ、トジコメラレタ」
「人間に?一体誰に…それに閉じ込められたって…」
駒千は更衣室内を見回す
「あそこ…四隅にお札がっ…。これは結界…?」
「この札は…結界じゃない…呪い、のようなものだ」
一千は苦虫を潰したような顔になる
「とにかく、手当てしましょう」
駒千は鞄から瓶を取り出す
「ソレ、クスリカ」
「貴方たちと同じ、妖が作った薬よ。早く止血して手当てしましょう」
駒千と一千をようやく信用されたのかどうか、定かではないが、河童たちは大人しくなった
薬は丹が順番に塗り、駒千が包帯を巻く
「例の毒に当たったものには清水が必要だ」
「羽黒が今汲みに向かっています」
「問題はどうやって、皆を川に戻すかだが」
一千は考えこむ
「あの、プールと山崎亭の井戸って繋げられないんでしょうか」
「その手があったか、やってみよう。お前たち、とりあえず一度ここから避難してもらう。札は剥がしたから部屋から出られるはずだ」
「ワカッタ。」
一千が井戸とプールの境界をつなぎ、2人とその他大勢が列になって井戸を無事に出た頃には朝になっていた
「あー…さすがに力使いすぎた…」
一千が宙を仰ぐ
河童をきちんと数えると全部で10匹ほどだった
駒千はその後数日かけて、河童達を治療した
河童たちは清水と、新鮮な魚や生野菜を好み、駒千の看病のおかげもありみなすぐに元気になっていた
山崎亭には使われていない池があったので、丹と羽黒に頼み、そこに水を入れて定期的に水に浸からせた
「カタジケナイ。コマチ。ワレワレノ、ヒレイ。」
「構いませんよ」
「イッセン、ワルカッタ。」
河童のうち喋るのは何匹かでそのうちの1匹がリーダーらしい。
彼は名を、佐助と名乗った
それから佐助は、今までの経緯を話した
彼らは遠野の里から連れてこられたとゆう
ある日突然若い男が川にやってきて、川の河童たちはバタバタと倒れたらしい
そして起きたらあの更衣室の中にいたらしい
しかも結界のような、なにかの力で出られずに衰弱していたところを、少年たちが世話していたらしい
その日もキュウリや野菜の差し入れがあり、いつもどうりに河童達は食べたという
「毒が入っていたのですか?」
「調べたが、毒ではなかった。おそらく術かなにかだと思う」
「イッセン、コマチ。セワニナッタ。ワレワレ、ヤマ、ニ、カエル。」
調査は終わってなかったが、止む終えなかった
これ以上、自然界の妖怪を振り回すわけにはいかなかった
彼らは犠牲者なのだ
彼らが平穏に暮らせるために、一千と話し合って元いた場所に返すことになった
また井戸と遠野の川を一千が繋げ、河童達を川に返した
「また身の危険を感じたらこの井戸を通るんだ。必ずまた駒千が助けてくれる。俺も助ける」
「カタジケナイ。コノ、オン、ワスレナイ。」
河童たちは何度も何度もお辞儀して川に帰っていっとゆう
夏休みが終わり棗小学校にはまた平和がもどったという
事件は解決していなかった
河童たちを襲った若い男。
更衣室に貼られた呪いの札。
散らばったピースを集めなければならない
一千は深くため息をつく
問題は山のようにあるのだ。
駒千との夏休みが終わろうとしていた
騒がしく、忙しく、賑やかな楽しい時間が終わろうとしていた




