生と死 9
【アトヒトリタラナイ】
カタカナ文字のこの一言だけ。
なんだよ、もっとヒントくれ。
一体何が足らないのか?
713人呪い殺すはずの日本人が足りないのか?
これじゃ霊視もできない。ガッカリしてスマホをポケットに仕舞うも、ふと、あることを思いだした。
山城リリの元へ、堀のアカウントから画像が送られてくる、その前――
『ツギハオマエ… 』
そんな意味不明なメッセージが送られてきたと言っていた。
堀の事を考えてる時以上に、暗い不安が押し寄せる。
堪らなくなった俺は、自転車にまたがって山城の家に向かった。
彼女の家から最寄りのバス停。
そこにまだ気配が残っていた。
時間があまり経過していない場合、短距離なら足取りもカンでわかる。
本能のまま自転車を漕ぐと、コンビニに着いた。
不穏で邪な空気を感じて、必死に彼女の姿を探す。
……いない。
何人か客がいる店内を軽く見回しても、山城の気は全く感じなかった。
「高校生の女の子が来ませんでしたか? 小柄で黒髪でおさげの」
レジにいた店員は、いいえー?、と首を傾げたあと、「あ、」と何か思い出したのか、出ていく俺を呼び止めた。
「お迎えなのか、着いてすぐ黒い車に乗ってましたね、中学生かと思いましたけど」
黒い車?
「どんな?」
「たぶん、ハイエースか何かじゃないかと」
めちゃくちゃ怪しい。
彼女の家の駐車場にそんな車はとまってなかった。
「ありがとうございます」
駐車場に出て、うっすら残る気配を追う。まだそう遠くには行っていない。
念をこめて方角を見極める。
――ここから、どこへ消えた?




