生と死 8
今度は一体どんな災いが送られてくるのか。
霊的抵抗力のついている者なら、呪いの念に対して反射的に対処することができるため、ほぼ自覚することなく鏡のように反射して相手に返すらしい。
俺には、その力が備わってないのかもしれない。
勝負は見えているのに、こんなことに時間を割いて、堀を放置していていいんだろうか?
――そうだ、奴は今、どうしてる?
山城リリから送られてきた画像二枚からは堀 賢吾の足取りはおろか、霊視さえもできなかった。
最近のあいつの写真でもあれば良かったが、俺のスマホのフォルダーに他人の写真なんてない。
犯人からの手がかりが欲しい。
俺は、堀にメッセージを送ってみることにした。
【学校も来ないでどこにいる? このあたりか? 】
犯人たちをあまり刺激しないほうがいいとわかっていたけれど、自分たちの犯行自体に酔っていて、悪行を見せつけたい組織なら、何かしら送ってくるだろう。
それに賭けた俺は、人魚の伝説が有名な日本各地のマップを送ってみたのだ。
はじめからこうすれば良かった。
滋岡の協力は待てない。
山城の話から、直ぐに反応あるかと思ったのに既読にすらならなかった。
気持ちばかりが焦る。
滋岡からの呪いに構えて新たな霊符をこしらえてみたり、自分に出来る呪詛はないか調べてみたり。
ようやく堀のアカウントから返信があったのは、夕方、俺が家にたどり着く前だった。




