生と死 5
今度は何――?
見るのが怖い。
でも、見ないわけにはいかない。
堀先輩の命の綱だ。
随分と暗くなった空が恐怖を煽り、今にも破裂しそうな心臓のせいで呼吸が苦しい。
急ぎ足で進み、コンビニの駐車場を目指す。
明るくなったところで、よし、と気持ちを奮い立たせメッセージアプリ開く。
が、やっぱり一人で見るには恐怖すぎる画像だった。
これが、また大衆用に作られた映像を切り取った一部なのか、それとも実際に犯罪に使われてる部屋なのかわからない。
「骸骨……?」
写真の手前には、集められた塵くずのように無数の骨がこんもり山を作っていた。
本物? オモチャ? それともCG?
小さい人間の骨や動物の骨にも見える。
奥には小部屋が映り、そこには目隠しされた子供たちが何人もいるようだった。
拉致された子供たちだろうか?
まさか、この中に堀先輩が?
震える指先でピンチインし画像を広げて見た。
「あ……」
その中に、堀先輩がいた。
他の子供のように目隠しはされていないが、椅子に座った格好で縛られているようだ。
髪型も体型も、制服も。間違いない。
見慣れた先輩の姿だったけれど、シャツは切り刻まれ、露わになった胸に、赤い字で【7】と書かれていた。
震えすぎて、足に力が入らなかった。
そばにあったポストにもたれかかって、なんとか立っていられた。
今度こそ、やばい。
堀先輩が殺されちゃう。
「は、橋本先輩に見せなきゃ……」
と思ったら、またスマホが揺れた。
今度は短いメッセージ――開かなくても、通知画面で見れた。
【アトヒトリタラナイ】
″あと1人足らない″
え。
どういうこと?
何が足らないって?
まさか……。
″ツギハオマエ″
い。
生贄――?!
恐怖の一文字が頭に浮かんだその時、パァっと眩いライトが私を照らして一台の車が駐車場内に入ってきた。
不自然な停め方で、私の身体に横づけする。
真っ黒なライトバン。
嫌な予感がしたのと同時に、ドアが勢いよく滑って開いた。
「ひ……っ」
悲鳴を上げる間もなく、出てきた男達に体をすくわれ車内に放り込まれてしまう。




