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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
一 遮断と結界
9/225

一 つかれている 8

  「あら、千尋、お帰りー。予定より早かったのね」


 家に着くと、母さんがリビングから声をかけてきた。

 父さんが不動産屋で時には怪しい物件も扱うため、玄関先には盛り塩が置かれているが、これでは足りないかもしれない。

 俺は、念のために結界を張ることにした。


 両手で刀印と剣印を作り、そのまま腰の左側に添える。

 右手が刀、左手が鞘として、右手をスッと抜き、目の前に五芒星ごぼうせいを描く。

 最後に両手を広げる。


 俺は、これを陰陽師の映画や漫画で知ったわけではない。

 前世での記憶がより濃く思い出されるようになってからは、こうやって、身を守るようになった。


 幼い頃———まだ前世の記憶が戻っていない———から、人でないモノは見えていた。


 その時は、何が邪悪なものかわからなかったから恐怖も抱かなかった。

 お盆に親戚の家に行けば仏壇のところに見知らぬ老人がいたし、交通事故の現場に行けば彷徨う霊魂も見たけれど、こちらに危害が加わることはなかったからだ。


 ただ、怖かったのは――


『山辺先生の周りに黒い霧が見えるよ』


 死期の近い人がわかるようになったこと。


 それがオーラなのか、迎えにきた人の影だったのかはわからないが、それを見たあとに身近な人が亡くなったのを数回経験すれば、子供でも軽率に口に出して言わなくなる。


 中学生くらいになれば、ハッキリと前世の記憶が蘇り、なぜ自分にこんな能力があるのかも理解できて、あまり怖くはなくなった。

 しかし、それと同時に、父の安倍晴明と俺にかけられた呪いのことも記憶が戻り、現世での残りの人生には“虚無” しか感じなくなったのだった。


 きっと、鬼より死霊より怖いのは、運命さえも変えるほどの、人の“恨み” だ。


「父さん。そのカレンダーに丸つけした日、きっと雨だよ」








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