白と黒 26
俺は早速、本題に入った。
「滋岡さんに、友人の捜索依頼をお願いしたくてメールを送りました」
「あぁ、見たよ。しかし、鑑定料や捜索にかかる費用は出せないとも言ってたよね? それでこの俺が動くと思ったの?」
霊視をしていた時とはうって変わって、滋岡は熱のない言葉で返した。
「はい。だからここへ呼んでくださったんでしょう? 俺も少しは霊感があります。陰陽道も完璧じゃないけど心得てます。マンション死体遺棄事件と友人拉致事件には【ゴールド・スター】が関わってるはずなんです。協力を条件に並行して調べて頂きたいんです」
もし、俺の主護霊の声を聞くことができるなら、その存在と千年前の呪いのこともわかっているのではないか。
誰も信じられないようなことも、この男なら信じて一緒に動いてくれるのではないか、と思ったけれど、
「何だろうね、俺の本能がサイレン鳴らしてるんだよね。君に関わっちゃだめだと。ご先祖からのお告げかな?」
滋岡は俺から目を逸らして、先に見せた霊符を眺めて続けた。
「君がまがいモノじゃないって証拠、見せて欲しいね」
まがいもの……。
偽物とか自分では思ってないけれど、けして本物だとも言えない。
「……どうやって証明したら?」
霊視や天気の予知等という、古来からある陰陽師の力を見せれば何とかなるだろうと思っていた。
「橋本くんは、陰陽道を心得ているといっても天文学・陰陽学・暦・時間の計測法はおろか占術は学んでないだろう? それができたら俺なんか頼らないだろうからね」
滋岡は目を細め、俺を試すような目つきで見た。
「はい……陰陽道を知ったのは最近なので」
俺の前世がなんなのか、ようやく記憶が蘇ってきた時には転生へのカウントダウンが始まっていた。
ない未来のために現世で学んでも仕方ない。
備わった最低限の能力と記憶だけで霊には対処してきた。
「そんな君のために、俺が、一番手っ取り早くできる対戦を申し込もう」
対戦? 申し込む?
困惑し、言葉が出てこない俺に、滋岡が余裕のある顔で言い放った。
「呪詛合戦。スマホゲームよりずっとスリリングだよ」




