白と黒 18
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【ゴールド・スター】。
一見、タバコの銘柄か昭和の映画のタイトルみたいだけど、これは某組織団体の日本支部の名称だ。
大元は、赤い蛇をシンボルマークにした悪魔崇拝組織、【ルーメン】。
表向きは世界的な友愛結社で、慈善事業や救済活動を目的とし、世界中のあらゆる組織と繋がりを持つ。
けれど、裏の顔は、キリスト教徒を装ったサタニストだと言われている。
事実はネットに氾濫する陰謀論によってねじ曲げられているところもあるが、そのサタニストと言われている部分に惹かれて入会する者が後を絶たないという。
堀の行方を探すために調べ始めたが、【ゴールド・スター】を検索していくうちに、なぜか、再び滋岡道中のYouTube動画に辿り着いてしまった。
滋岡は、あのマンションでのデリヘル嬢遺体遺棄事件を追って動画配信していくうちに、犯人像を掴んだ。
それは前の配信で、
《この事件の犯人は、多分、身内に大物がいます。僕は日本のタブー、いや、世界のタブーを破ってしまうかもしれません》
と言っていたから、間違いない。
しかし、次の動画では、犯人像を霊視し、滋岡が描いた犯人像を視聴者に見せるだけで、名前や素性は言わなかった。
それは仕方ないとして、絵があまりに、山城リリが描いたものと比べたら似てなかった。
陰陽師というのは、絵の才気はないのだろうか？
《この男の身内に政界の大物がいる。そして、この犯人はヤク中の”×××××”のメンバーで、しかも警察の捜査の手が入らない上級会員だ》
動画で彼の言った組織名がピー音で消されている。
しかし、
【ゴールド・スターのこと？】
【いや、手口が日本人じゃない。ルーメンの幹部じゃないの？】
視聴者は陰謀論に通な者が多いのか、疑われる組織名が出ていたため、俺の検索でヒットしてきたようだ。
