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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
四 未解決事件 second
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白と黒 17

 違うのに。

 きっと、橋本先輩なら信じてくれたのに。



 警察署を出て堀先輩のご両親とも別れると、お父さんが難しい顔をして話し始めた。


「赤い蛇のマークの組織団体、あれがマズイってのは、あの脅迫がある前から知ってたんだ。俺は」


「え、あの記事見たの?」


「いや。俺はリリのようにネットはしない。ただ、昔からの、うちの言い伝えで“赤蛇のことは深く探るな” というのがあってな」


「そ、そんなの聞いたことないよ?」


「リリはうちを継がないだろう、だから教えてなかった」


 そもそも、継ぐ、継がないの話すらしたことない。


「赤蛇と関わってる人間は普通にいる。何も特別な位置に居る人ばかりじゃない。学校の先生や会社の上司、今流行ってるユーチューバーとかにもいるかもしれない。特別な組織じゃないんだ。実際に儀式だの呪いだのやるのはごく一部の人間。それが度を越して一般人に悪影響を及ぼすことがある。それが堀くんの例だ」


 お父さんは運転しながら険しい顔のまま続けた。


「我々、神職に就く者は、そういった人達を差別化してはいけない、たとえ鬼や悪魔を崇拝していても。正義を剥き出しにして戦おうものなら日本の神道全てが攻撃され、消滅させられることもあり得る。それくらい日常に根付いた、巨大で世界的なネットワークで結ばれている組織なんだよ」


 まるで、陰謀論ベースの映画の話みたいだと思った。


 だから、もう赤蛇のことは忘れなさい、あちらも大事件になることはしないだろうから……と釘を刺され、私は何も言い返せなかった。


 でも、それじゃ、堀先輩はどうなっちゃうんだろう?

 いつか戻ってくる?

 無傷で?


 ――それは難しい気がした。


 じゃあどうする? 心配でも放っておく?


 もし。

 橋本先輩なら、どうしただろう?

 あの人なら、どうやって堀先輩の居場所を突き止めただろう?


 私は、ずっと気になってたことがある。

 橋本先輩は、霊能だけじゃなくて、結界張ったり、まさに映画の陰陽師みたいなことをした。

 あれが本物なら、何か手立てがあるんじゃないかなって淡い期待を持った。






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