白と黒 15
そうだ。
確かに橋本先輩も言っていた。
『暗いどこかに閉じ込められてる姿が見えた、今のところ生きてるみたいだ』
でも。
なんで、こんな写真を送ってきたんだろう? しかも、
【ツギハオマエ】
なんて送ったら、失踪じゃなく誘拐・拉致だということが濃厚になって足もつきやすくなるよね?
——しかも、私に。
なんで、なんでと頭の中で繰り返したあとに、そっか、私が神社の娘だからか、と思った。
つまり、挑戦状?
神への冒涜?
目を背けたくなる画像をもう一度凝視する。
これも自己顕示欲なのかな。
自分達はこんな残虐な行為ができるぞ、と。
これ、橋本先輩に送ってみようかな?
でも、そしたら先輩は探しに行くよね?
犯人たちとの接触は危険すぎる。
……もう、これ持ってこのまま警察へ行こう。
バス停から離れて、数十メートル先の交番に向かっていたら、今度は電話が鳴った。
お父さんからだった。
《もうすぐ七時だぞ。何してる?》
電話の向こう、きっと疑わしい目つきをしてるであろうお父さんに、「証拠写真持って今から警察に行く」と伝えると、
《じゃあ、俺も行く、ちょうど堀くんのご両親が家に来られてるんだ》
と、びっくりすることを言ってきた。
《その後、警察から何の連絡もないことに業を煮やして、器物破損の被害届を再度出して犯人の逮捕に繋げてほしいと頼まれてね》




