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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
四 未解決事件 second
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白と黒 12

 でも。

 うちの神社で丑の刻参りしてたオカルト団体と、【ゴールド・スター】は関連性はあるのかな?

 悪魔と鬼と崇拝する対象が違うし、それに同じ黒魔術でも血生臭さが段違いのような……。

 もし、【ゴールド・スター】が堀先輩の行方不明に関わってるのだとしたら、一体どこに拘束されてるんだろうか?

 今頃、無事でいるんだろうか?


「そういや、リリの部活の先輩、神社に行ったきり帰ってないんでしょ? 見つかったの? 皆、場所が場所だけに神隠しって言ってるよ」


 加奈がついでのように訊いてきた。


「まだ。ちょっとメッセージ送ってみる」


 どうせ既読にはならないだろう、と思いながらも何度も送った同じ文言のメッセージ。


【皆が心配してます どこにいますか?】


 ――え?


 今日のは直ぐに既読がついた。


「う、そ」


「どうした? 面白い顔して」


「堀 先輩に連絡つくかも!」


 私は咄嗟に電話をかけた。


 けれど、電話は取ってくれなかった。ううん、取れなかったのか。

 もしかしたら、橋本先輩が電話をかけたら取ったかも。


「ちょっと、三年生のところ行ってくる」


「えー、もうすぐホームルーム始まるよ」


 居ても立っても居られず、私は橋本先輩の教室に向かった。

 お父さんからは、部活以外は関わるなって言われていたけど、だからなのか尚更、顔見て話したくなった。


 先輩は大体どんな時も“話しかけるな”オーラを出していて、近寄りがたい。

 でも、ある程度心を許した人になら、その堅い殻から少しだけ素を見せてくれる。

 それを見たことのある私は、心の何処かで勘違いしてたのかもしれない。

 だから、おかしなことを口走ったりしたんだ。


 教室に入ろうとする橋本先輩の背中を見つけて、


「はし……」


 声をかけようとして言葉を呑み込んだのは、先輩が珍しく笑顔で同級生と挨拶を始めたからだ。


「あれ、なんか今日の橋本君、ご機嫌?」


 その中には女子も含まれて、先輩の変化に嬉しそうにしていた。

 見慣れない光景に戸惑う私。


 ――先輩、普通の人になってる。







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