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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
四 未解決事件 second
70/225

白と黒 8

 あんまり色んな人を視ないほうがいい、と言われたのもあって、防犯カメラの映像を借りることはできなかった。


「長々とお邪魔しました」


 社務所を出ると、いい、というのに山城が見送るからと付いてきた。


「お前、昨夜のこと、親に叱られたんじゃないのか?」


 今日、俺を見た時の彼女の父の顔を思い出せば、もう、ここに安易にも来れないな、と思った。


「いいえ、先輩の送別会だって嘘ついてたのはバレましたけど特には」


「そうか、ならいい」


 鳥居の近くに来ると、急に山城が俺の制服の袖を掴んだ。子供みたいな動きに驚く。


「なんだよ」


「私、堀先輩のことも心配だけど、橋本先輩のこともかなり心配です」


 俺は、一瞬、聞き間違いかと思った。


「なんで?」


 今まで、親以外の誰かに心配されるなんて経験がなかったから。


「一見、橋本千尋といえば完璧な男の子じゃないですか」


 堀みたいなことを言う。


「絵はへたくそだぞ」


「あれはあれで味があっていいんです。でも、どんなに完璧でも、先輩は今、二つのヤバい事件に片方ずつ足を突っ込んでる……」


「お前が言うと棺桶みたいだ」


「そう、だから心配なんです。思ったより橋本先輩は情に流されるし、無茶なことをしようとしても、きっと誰も止める人がいない。先輩に失敗はないと思ってるから。いつも頼ってるくせに矛盾してるんですけど、危険な事からは遠ざかってほしいんです」


「そっちが投げてきた件なのに?」


 俺の言い方にトゲがあったせいか、山城が俺の袖からスッと手を離した。


「先輩のおかげで、やっぱりこれは事件なんだとわかりました。でも、犯人の捜索は危険です。あのホテルでの殺人事件も」


 今までにないくらい、山城がきっぱり言った。


「私達子供じゃどうしようもないこともあります」



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