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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
一 遮断と結界
7/225

一 つかれている 6

 

「予知……?」


「そう、遠足の時にさ、もうすぐ雨が降るって、天気予報でも言わなかった豪雨予測したり、不吉にも先生の訃報を言い当てたり……」


「偶然じゃないんですか?」


 また寒気が戻ってきそうな話だ。


「んー。かもね。皆もそう言ってた。でも、俺はずっとあいつには注目してる。マジでパーフェクト男じゃん、俺、奴みたいになりたいもんな」


「憧れってやつです?」


「そう言うとなんかキショいけど。目標?」


「あ、だから、堀先輩も弓道部に入ったんですか?」


「わはは、そうかもね」


 おどけたように笑った堀さんは、すぐに顔を曇らせた。

 明るい堀さんは、皆の盛り上げ役みたいなところもあるし、部での成績も良かったのだが、少し前、事故を起こしてから腕が振るわなくなった。


「俺にもおじさんの生霊とか憑いてないか、後で千尋に訊いてみよ」


 練習中に、彼が放った矢が副顧問の先生の胸に刺さったのだ。


 その副顧問の先生は全治一週間の軽傷で済んだものの、ローカルニュースや新聞に載ったりして、当時の堀先輩は相当落ち込んでいた。

 それからフォームが崩れたり、的中率が下がったり、何となく元気もなくなっていった。




「お疲れ様でしたー!」「もう遅いから寄り道すんなよー」


 学校へ着いた頃には体調がかなり良くなっていた私は、バスから降りて橋本先輩の探したけれど、あの人は風のようにいなくなっていた。

 ……お礼が言いたかったのにな。


 でも良かった。

 もし、あのまま調子が悪かったら、神主であるお父さんにお祓いをお願いしようと思っていたから。

 ただ、お父さんに霊能力はない。

 私は少しだけ霊感あるけど。

 そんな神主がするお祓いなんて意味があるのかなって、実はずっと思ってた。


 神職の家の娘なのに、神道とやらは全く信じていなかったのだ。





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