表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
四 未解決事件 second
69/225

白と黒 7

 一見、善良そうに見える、おそらく六十代の政治家。

 しかし、オーラが見えない。

 白なのか、黒なのか、それとも――。


 黙り込む俺に、神主である山城の父は言った。


「君が、霊能あるのは分かる。しかし、あまり色んな人を視ないほうがいい。霊能ってのは無ければ無い方がいいんだ。最後は廃人のように朽ち果てて亡くなった中途半端な霊能者を知っている。それは昔からだよ」


 父である安倍晴明もそうであったと、あの滋岡道中も言っていた。


「そうですね……こんなんじゃ、誰一人救えない」


 俺が力なく言うと、山城の父が俺の肩を軽く叩き、一言残して、部屋を出て行った。


「普通が一番だ、普通の高校生に戻りなさい」


 

 普通の高校生……。

 頭の中でリピートした。

 そもそも、“普通”がわからない。


「先輩……?」


 山城の声に不安が宿っている。


「堀のことは気になるから、できる限り捜索に協力するけど」


 顔を上げて、無理に笑顔を作ろうとすると、頬が引きつった。


「父の言う事は気にしないでください。自分に霊能の欠片もないから嫉妬してるんですよ」


「いや、神道極めるなら霊能は邪魔だから」


 十八歳の誕生日まであと五ヶ月。


 俺は、前世や陰陽道の事を忘れて、普通の高校生としての時間を楽しめるだろうか?


 今からでも家族や友達と、思い出が作れるだろうか?


でも、もう、手遅れな気がした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ