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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
四 未解決事件 second
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白と黒 2

 この滋岡道中のYouTub動画を見れば、事件の解決への道も遠くないかもしれない。

 ただ、しゃくではあった。

 あっちは俺のことなんか知らないし、たとえ先祖が実際にやった呪詛のことを知っていたにしても、千年前に呪いをかけられた安倍晴明の息子が転生して現代に生きてるなど、信じるわけがないし知る由もないだろう。

 俺の苦しみなど、滋岡はわからないのだ。


 そんな奴の配信した動画を見て、あのA子を成仏に導こうなんて、父が知ったら怒るだろうか。

 ただ、その父の安倍晴明も、血筋を引いてるわけではない、ただ安倍吉近としての前世の記憶があるだけの俺なんて何とも思ってないかもしれない。

 その証拠に霊感があるというだけで、陰陽師としての才気は皆無に近い。


 それでも――……。


 雑誌を閉じスマホを確認したら、堀の件で顧問から再びメッセージが送られていた。


【後輩の家に嫌がらせをしてくる犯人を説得しようと、夜中に神社に行ったかもしれないと情報が入りました。神社にも協力してもらい、明日、警察に被害届と捜索願いを出す予定とのことです。堀くんの目撃情報、引き続き宜しくお願いします】



 山城が顧問に連絡したんだろうな。


 神社なんて言ったら、皆、彼女の家だってわかってしまう。

 堀の安否より、二人の関係のほうが噂になるだろう。

 そもそも、堀はなぜ、神社に行った?

 いくらが俺が協力しなかったからって、まるで当てつけのように。

 それとも……。


 あいつは、山城リリのことが好きなんだろうか?

 散々、可愛くないとか言ってたのに。

 だから、危険を冒してまで夜中に″丑の刻参り″するものを戒めようと行ったのか?


 いや。

 あいつにはそんな度胸はない。

 藁人形で呪いをかける人間の掟も知らないのだろう。


 やっぱり、馬鹿だ。


 そして、そんな奴を気にして眠れない俺も、相当の馬鹿だ。



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