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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
三 未解決事件
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男を食らう鬼 21

 橋本先輩が私にお願いしたいこと――


 それはどう考えても、お祓いだとか霊的なことしか思いつかなかった。


「……わかりました」


 軽食を食べ終えたあと、先輩はホテルに常備されているメモ帳をとペンを持ってきて、私に差し出した。


「犯人の顔をこれに描いて欲しい」


「え」


「先輩だって視たんですよね? なら、先輩が……」


「俺は、絵が下手なんだ」


「う、そ」


 意外! この何でもできる橋本先輩に苦手なものがあったとは……。

 でも、先輩の言う下手って、俗な私達のちょいウマくらいなんじゃ……。

 それではりきって描いて恥かいたら嫌だなぁ。

 ……と、ゴチャゴチャ考える私に業を煮やしたのか、


「俺が描くドラえもんはこうだ」


 と、子供のお絵描きのようなものを始めてしまった。


「先輩……、ふざけてます?」「真剣だ」


 白いメモ紙に描かれたそれは、髭が六本なければ、ただのハゲおじさんにしか見えない、ある意味、逸品だった。


 涙を流して笑う私を、「こんなのでそんなに笑えるなんてお前は幸せだな」と、先輩は呆れていた。


「これ、貰っていいですか?」


「は?」


「誰にも見せません。私がツラい時に見て笑うお守りにしたいです」


 いつもクールな橋本先輩が描いたほのぼのドラえもん。(に絶対見えないけど)とても価値があるように思える。


「なんなら、悪運よけの護符をやってもいいが……」


「そんなインチキ霊媒師の必需品みたいなのより、これがいいです」


「インチキ……」


 ちょっと、言葉を失ったあと、先輩もクク……と小さく笑って、「好きにすれば」と言ってくれた。


「じゃあ、あの犯人の顔、描きますね」


「ああ」


 忘れたいくらい、冷酷で残忍な犯人。

 驚くほど、細部まで記憶に刻まれていた悪魔な男。

 私が三十分ほどかけて描いたそれを見て、橋本先輩が感嘆に近い声を漏らした。


「すごい、完璧だ……」






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