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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
三 未解決事件
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男を食らう鬼 16

 三階に移動しても、橋本先輩は直ぐに部屋に入らず、フロアを行ったり来たりしていた。


「違う、ここでもない」


「何が違うんですか?」


「殺害現場」


「さ……」


 背筋が凍った。

 先輩ってば、今度は一体誰に頼まれてこんなことしてるんだろう?


「でも、近くなってきている」


 先輩は一つ一つの部屋のドアの前の手を当て、まるで確認するかのように、目を閉じていた。


「あった、ここだ」


 そして、【308】の部屋の前で確信に満ちた声を出した。


「ここで殺人事件が?」


「……うん。犯人は、まだ捕まってない。九年もの間、どこかでのうのうと生きてる」


 そんな事件、この東京ではゴロゴロしてるはずなのに。

 なぜ、それに橋本先輩が関わるのか。


「山城。お前も、目を閉じてドアの向こうをイメージしてみてくれ」


 「は、はい、」ドアの向こうは現実、今頃カップルがイチャイチャしてるだろうとのツッコミを控えて、私も瞼を下ろす。


 ――私にも見えるだろうか?


 九年前の殺害の現場が。


 そんな、力があるだろうか?


 この人の手伝いができるだろうか?


 いつの間にか、橋本先輩は、右手を私の左手の甲に重ねていた。


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