男を食らう鬼 4
その頃、
「え、また!?」
うちの神社では、あまりよくない事が起こっていた。
「あぁ、ここんところ四日続けてだ。昼間は小学生とかも通るから教育上よろしくないし、一応、貼り紙をしてるが効果はない。やってる人間は必死だろうからな」
参道から奥の敷地内の木に、藁人形が毎日打たれていて、神主であるお父さんが頭を抱えていたのだった。
「それって、あれだよね。丑の刻参り……」
真夜中に白装束姿で頭にはロウソクを灯した五徳をかぶり、藁人形を手に神社へとやって来る。
そこまで完璧にしているかわからないけれど、人目に触れない時間にやってきて、藁人形を打ち付け、誰かを呪う行為は想像するだけで恐ろしい。
以前なら、そんなことしてなんになるって思ったかもしれないけれど、悠里の件から、人の怨念ほど怖いものはないとわかったから、見過ごすわけにはいかないと思った。
私は、翌日、橋本先輩に相談してみることにした。
しかし、
先輩の反応はとても冷ややかなものだった。
「ダミーの防犯カメラつけるか、警察に相談したら?」
「はぁ……」
部活終わり、やっぱり橋本先輩は帰りを急いでいて、私の相談は適当にあしらわれた感じ。
「おまえ、冷たいな!せっかくカワイ……くはないけど、後輩がお前みたいな冷徹な男を頼ってんのにさ、もっと話聞いてやれよ」
一言多い堀先輩がしゃしゃり出てきても、先輩の態度は変わらず。
「木を傷つけることが目的ではないにしても、毎日釘打ってるなら器物損壊容疑も立件できるかもしれない。だから警察が先だろ」
それはそうかもしれないが、悠里の時はもう少し親身になってくれたのに。
シュンとする私に、先輩は、少しだけ哀れんだ目を向けて言った。
「悪いな……。ちょっと家のことで忙しいんだ」
颯爽と自転車に乗って帰路を急いで、その姿はあっという間に見えなくなってしまった。




