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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
39/225

ひと を 呪わば穴ふたつ 29

 ――この結界が何のために張られているか。



 江戸時代。

 その頃、正統派陰陽師は宮廷陰陽師として萎縮してしまっていたが、民衆の中に派生していった亜種の陰陽師は全国で活動していた。


 ※その陰陽師たちが東京の前身にあたる江戸に集結する時が数回あった。

 一度目は江戸時代の初期。

 徳川家の依頼により僧侶が中心となり、陰陽師も協力して江戸を守るための大きな結界が張られたという。


 二度目は江戸の末期。天皇を江戸に移し、都を現在の西東京に建設しようという動きがあった。

 俺が亜種の陰陽師として二度目の人生を生きていた頃だ。


 立川の西側。

 当時は、野山しかないような場所だった。

 しかし、京都と同じように、地脈と龍脈の二つがしっかり大地を通った場所がそこであり、風水的には良かった。

 そのため都として最適なのではないかと結論づけられた。


 京都から天皇がくるわけだから、天皇を守る為の存在であった陰陽師は、魂を込めて計算づくしの完璧な結界を張る。


 しかし、この計画は途中でなくなる。

 陰陽師のうちの誰かが、江戸幕府は倒れると予測したからだ。

 それは、現実のものとなり、西東京には完璧な結界だけが残されたのだった。



 その後、明治維新があり、その時も東京に結界が張られた。


 結局、どういうわけか天皇が江戸城跡に入ることになったからだ。

 かつては絶対にないことだったが、その辺の歴史の闇はさておき、その結界は大正時代に入り破壊されていった。

 それでも。

 この東京は今でも、見えない何かに守られている気がしてならない。

 それが結界によるものなのか、それとも、もっと人為的な力によるものなのかは、俺にはわからない。









 ※参考記事 東洋経済






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